アンビシャス、屋内型トランク 全国に793店

アンビシャス

インタビュー|2025年12月30日

アンビシャス 大阪市 田中 正 社長

 トランクルーム市場が拡大する中、屋内型トランクルーム「収納PiT(ピット)」で全国展開しているのがアンビシャス(大阪市)だ。同社は不動産オーナーの状況に合わせて、直営、フランチャイズチェーン(FC)など複数のスキームを用意し、空きテナント活用の新たな選択肢を提示している。同社の田中正社長に話を聞いた。

空きテナント活用を提案

初期投資を抑制 直営、FC選択可

―トランクルームといえば、屋外にコンテナを設置したタイプが思い浮かびますが、収納PiTは既存のビルや住宅などの空きスペースを活用するタイプが中心ですね。

 空いているスペースにパーティションを使ってトランクルームを設けています。空きテナントを抱えるビルオーナーや遊休不動産を持つ地主、少額投資で収益を得たい個人投資家など、幅広い層が参画しやすい仕組みです。地方の空きテナントや倉庫の一角など、従来は活用が難しかったスペースを有効活用できる点も評価され、2025年12月末時点で793店舗を展開中です。

利用数推移

―収納PiTは複数の運営方式があります。

 当社が物件を借り上げて直営する方式のほか、物件のオーナー自身がFCとして運営する方式、当社が建物を建てて投資家に販売し、その投資家がFCとして経営する方式などがあります。また地主へ土地活用としてトランクルーム建設を提案することもあります。オーナーは「物件を貸して賃料を得る」か「自ら運営して収益を得る」かを選択できます。

―活用するスペースは広さにもバリエーションがあるそうですね。

 収納PiTでは、0.2畳の超小型区画から4.5畳までの幅広いタイプを用意し、建物の柱の位置や形状に合わせて区画設計できるようにしています。変形地や柱が多い区画でも柔軟に設計できる点が強みです。また初期投資を抑えるため、パーティションは自社製造しています。初期費用は500万〜1100万円程度です。

収納PiTの店舗

収納PiTの店舗

収納PiTの内観

収納PiTの内観

利用者は約2万人 2年で目標1000店舗

―利用者はどんな人が多いのでしょうか。

 現在の利用者数は約2万人で、法人利用が54%です。法人の利用者は、小規模事業者や個人事業主が多く、在庫置き場や資料保管場所として広い区画を利用するケースが多いです。また、広い区画は、地方で埋まりやすい傾向があります。一方、都市部では個人での利用が中心で、ゴルフバッグ一つ分から使えるような超小型区画も人気です。

―屋内型に特化していますね。

 トランクルームの都市部での利用ニーズが一気に高まったことが、屋内型へかじを切った最大の理由です。コンテナ型はロードサイドに限定されるため、都市部ではどうしても展開が難しい。一方で「駅近のビル内で収納スペースを利用したい」「自宅の近くに屋内の収納を設けたい」といった問い合わせが増え、都市型の需要が明確になりました。

―都市部以外でも需要があると聞きました。

 地方に進出したきっかけは、ショッピングセンターのバックヤードの活用です。三重県や山口県で試験的に始めたところ、想像以上に高稼働となり、地方にも確かな需要があることがわかりました。地方には、空室にもかかわらず募集すらされていない物件も多いです。そうした物件の価値と収益性を引き上げられるのが収納PiTの強みです。現在は青森県、福井県、富山県、鳥取県、島根県、沖縄県を除く全国で展開しています。793店舗分のビッグデータ分析により、実績のないエリアでも実現性の高い需要予測を行っています。

―創業時はコンテナ型のトランクルームから開始しました。

 当社は05年に創業しました。当時、コンテナを扱う不動産会社の知人から、コンテナ型トランクルームのFC加盟を勧められました。この事業に可能性を感じて、自分で中国から直接コンテナを輸入するところから始めました。価格を抑えたコンテナサービスを提供したことで、紹介を中心にオーナーが増え、1人で10店舗を持つようなモデルも生まれました。現在では約400人のオーナーが契約しています。

―田中社長は上場企業の経営に携わっていましたね。

 元々、経営者になりたいという思いがありました。そんな時、アミューズメント施設の運営を行うネクストジャパンの経営者長江芳実氏と出会い、レジャー施設の立ち上げを任されたのです。その結果「JJ CLUB(クラブ)100」という会員制のレジャー施設を、全国で100店舗以上展開するに至りました。またアンビシャスを立ち上げた後、公認会計士からある上場企業の経営再建の相談をもらい、11年に社長に就任。9年かけて売り上げを回復させ、20年まで経営に携わっていました。

―トランクルーム市場は拡大しています。

 市場環境は追い風です。日本でのトランクルームの普及率は、アメリカの10分の1程度です。今後、日本でも現在の3倍程度には伸びる余地があるとみています。当社では年間100店舗の出店ペースを維持し、2年以内に1000店舗体制の構築を目指す方針です。将来的に、株式上場も視野に入れています。空きスペースを「価値を産み出す場所」に変えることが私たちの使命。空きテナントや土地活用で悩むオーナーに、最適な選択肢を提示していきたいです。

(2026年1月5日35面に掲載)

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