建具・建材の製造・販売を手がけるYKK AP(東京都千代田区)では、断熱性能の高い窓リフォーム用製品の販売数量が大幅に伸びている。賃貸住宅でも利用される「マドリモ 内窓 プラマードU」は、4月から8月までの販売数量が2022年同期比で約3倍となった。
断熱性向上、60分で取り付け
同商品は、現在ある窓の内側に取り付けるリフォーム用製品。2枚の窓の間にできる空気層により断熱性が高くなるほか、結露の抑制や遮音性の向上といった効果もある。ガラスの種類は、単板ガラスから、複層ガラスの内側面に金属塗装を施したLow‐E(ロウイー)複層ガラスまであり、選択が可能。フレームは熱を通しにくい樹脂製だ。同社の試算によると、既設の複層ガラスのアルミフレーム窓に、Low‐E複層ガラスの内窓を取り付けると、窓からの熱の流入を約15%削減できるという。
取り付けには約70mmの窓額縁が必要だが、幅が足りない場合のための「ふかし枠」も用意している。取り付け作業は窓一つにつき60分程度だ。
リフォーム用窓製品の販売数量が増加した要因は、経済産業省と環境省が窓の断熱改修に対して補助を行う「先進的窓リノベ事業」の影響があるためだという。交付申請が始まった23年4月ごろには製品の生産が追い付かず、通常1週間程度の納期が最大で3カ月ほどになった。先進的窓リノベ事業における集合住宅の申請額は9月10日時点で、予算上限の65%に達している。
(2023年10月2日9面に掲載)