『つながるテラス』は、2017年7月に竣工したB棟と2019年4月に竣工したA棟、さらに既存の共同住宅からなる。通り抜けのできる小路や半店舗アパートなど、コミュニティーを育む工夫を設けた住まいで、相場より家賃が3万円高くても決まる人気物件だ。
キッチンの床にタイルを採用し相場より3万円高い家賃
ビーフンデザイン(東京都渋谷区)とプラグ建築研究所(東京都世田谷区)が設計を行った『つながるテラス』は1階を店舗としても利用可能とした長屋だ。
同じ敷地内に2棟、時期をずらして建てた。第1期で竣工した全7戸のB棟には「週末コーヒーショップ」が入った。玄関扉の引き戸を開ければ、オープンカフェのような開放的な店となり、前を通る人たちとも会話を交わしやすくなる。カフェが休みのとき、店主は1階の店舗空間をリビングとして使う。半店舗アパートならではの暮らしぶりだ。
同店舗が入居者や地域との交流を活発に行うことが奏功し、第2期(A棟)には、「2拠点で活躍する焼き菓子店兼教室」が入居し、コミュニティーに広がりが生まれている。
B棟の1階には土間のほか、浴室やトイレなどの水回り(一部住戸除く)を設け、店舗利用可能な間取りとした。土間の素材にはカラフルな色とデザインが特徴のベトナムタイルを使用。1階からの階段は木材を使った透かし階段とし、開放感を高めた。2階にはダイニングキッチンやロフトを設け、3階に上がると寝室としても使える居室となっている。空間を上手に使い、ロフトを二つ設けたプランもある。