IoT機器やアプリの開発を行うアクセルラボ(東京都新宿区)は2019年8月より、家中のIoT機器や住宅設備をつなぐスマートホームサービス「SpaceCore(スペースコア)」を提供している。
築10年目で賃料アップ実現
照明、エアコン、電動シャッター、インターホン、玄関の鍵などを、スマートフォンにダウンロードしたSpaceCoreのアプリで操作する。接続可能なIoT機器は20種類以上。外出先からエアコンをつけたりインターホンに対応したりできるほか、室内カメラや窓の開閉センサーを設置して、不在時の防犯対策やペットの見守りを行うことも可能だ。23年5月末時点で2万3000戸以上に導入されている。
不動産賃貸・管理事業を行う三島産業(大阪府豊中市)は22年1月、大阪メトロ千日前線西長堀駅から徒歩3分の場所に立つ単身者向け物件「Felis(フェーリス)北堀江」の4戸に、23年4月には追加で4戸に同サービスを導入した。設置したIoT機器はスマートロック、窓の開閉センサー、室内カメラ、室温が一定以上になると自動的にエアコンを起動させる環境センサーなど。築10年目を迎えたタイミングで、スマートホーム化による物件価値の向上を図った。キャットウオークを設置した猫専用のペット共生型物件であることから、ペットの見守り需要も見込んでいる。
家賃は3000円上げて6万5500円からとした。相場より5000円ほど高い賃料だという。6月29日時点で、同サービスを導入した8戸は7割ほど成約している。
三島産業の三島耕平社長はアクセルラボのスマートホームサービスを選ぶ理由として、接続できるIoT機器の多さとアフターフォロー体制を挙げる。「導入後も定期的に入居状況を気にかけ、仲介会社向けの説明会や物件内覧会を企画してくれるのが心強い」と語った。
(2023年7月24日8面に掲載)