賃貸管理会社の現場は、慢性的に人材不足だ。正常に業務を遂行できない状況にも陥りやすい。そうした中でも、建物管理業務におけるスタッフの育成に注目し、人材確保および、少ない人員でも業務を完了する仕組みづくりを進める、全国の賃貸管理会社8社に話を聞いた。
取材した管理会社が取り組む人材育成は主に三つ。一つ目は、自社内に研修施設をつくった事例。営業所に、賃貸住宅で実際に使用されるエアコンや水洗トイレといった設備を配置し、実物で交換の練習を行えるようにした。
二つ目は、施工会社と提携して研修を行う事例だ。建物や設備に関する知識となると、管理会社のベテラン社員でも、知識や経験の不足を感じる場面に直面することはあるという。そのため、実務経験豊かな施工会社のスタッフから直接指導を受ける機会を設ける。研修として定期的に実施する会社もある。