新規受託獲得2倍の事例も
2万戸超を管理するクラスコ(石川県金沢市)が運営する、管理受託に関するノウハウを提供するフランチャイズチェーン(FC)「満室の窓口」が、加盟店数を伸ばしている。2月1日時点の加盟店舗数は、前年比で66店増の226店と、過去最高の新規加盟を記録した。
満室の窓口では、入居率に悩むオーナーの相談対応、FCのノベルティーや看板デザインといったブランドロゴ入りのツールや管理を受託するためのノウハウ、管理担当者向けの教育制度などをクラスコが提供する。
中核となるサービスは管理受託に関するノウハウの提供だ。加盟店は1泊2日の「導入研修」に参加。自社の提供サービスや強みをまとめた個人オーナー向けの冊子「アプローチブック」の作り方やダイレクトメール(DM)への記載内容、営業リストの作成方法などを学ぶ。その後は月に1度、管理受託に関するノウハウを話し合う「共有会」を本部が開催。オンラインで1時間ほど行う同会には、毎回加盟店の社員ら50~60人が参加しているという。
満室の窓口はサービス開始から6年が過ぎ、加盟店の成功事例が蓄積されてきた。満室の窓口札幌店として運営する三光不動産(北海道札幌市)は、DM内容の見直しや加盟店から共有された取り組みを導入した。これにより、加盟前の20年度は754戸だった年間新規受託戸数が、加盟後の22年度には約2倍になったという。本部であるクラスコの小村典弘社長は「加盟店同士の事例共有で成果が上がっている。共有会は管理担当者同士のつながりをつくる場としても好評だ」と話す。
クラスコ
石川県金沢市
小村典弘社長(50)
(2025年3月10日2面に掲載)