「AI(人工知能)は賃貸住宅ビジネスにどう影響を与えるか」。AI活用の先進企業からは「活用による工程削減が事業成長に必須」「人のマネジメントはAIに代替できない」などの声が上がった。
管理職のスキルとしても必須に
人的資本経営に不可欠
グループで投資用不動産の開発・管理・仲介を行うミガロホールディングス(東京都新宿区)では、AIと人的資本経営を掛け合わせたプロジェクト「PJ AXiS(プロジェクトアクシス)」を推進。全社的に成長を加速させる人材戦略を目指す。
PJ AXiSの一環で、グループ会社および同社のさまざまな部署が参加する横断的なチームを編成。技術的なことや経営との結び付け方、横展開の方法などについて議論するワークショップを開催している。実際の議論を踏まえ、AIツールを開発して現場で活用している。
中西聖社長は「KPI(重要業績評価指数)の一つは、リターンオンヒューマンキャピタル(ROHC:人的資本の投資利益率の向上)。いかにAIで工数を削減して1人あたりのアップセルを図るか」と話す。
すでに現場の業務へのAI活用にも積極的に取り組む。バーナーズ(同)が開発したAIアプリ「AI動画分析サービSRX」だ。商談や会議中にAIが会話の文字起こしを行い、任意のキーワードで会話内容の検索をすることが可能。商談では顧客の希望や意見をAIが分析して提案も行う。6月ごろに社内でリリース。同アプリの活用により営業社員がSFA(営業支援システム)に情報を入力する時間が大幅に省力化されたという。
AIの活用が当たり前になりつつある現代においては、現場だけでなく管理職にもAIリテラシーが求められるという。
特に重要なのは、AIに対して適切な指示(プロンプト)を出せるセンスだ。これは単なるスキルではなく、物事の本質を捉える能力が大きいと中西社長は言う。どのような仕事でも本質を見抜き、ゴールに向けて業務や顧客体験をどう変えられるかを考えることが重要で、その能力がプロンプトのセンスにも通ずるとみる。
「AIツールを導入して説明会を一回開くだけでは駄目。運用体制づくりなど、人的資本経営とセットで機能させることで業務生産性が高まる」(中西社長)




