物件の賃料・稼働率向上へ
海外ファンドなど投資家の資金を受託し、不動産を運用するトーセイ・アセット・アドバイザーズは、運用物件の価値向上を進める。そのうち一物件には、入居者向けのサービスとしてエントランスに1800冊の漫画を設置した。
漫画コーナーを設置したのは、JR山手線秋葉原駅から徒歩7分に位置する賃貸住宅「スペーシア秋葉原」。全160戸で間取りは1K〜2LDK。入居者の70%は20〜30代の単身者で、そのうち25%は外国籍だ。外国籍の入居者は増加傾向にあるという。
漫画の設置・管理を行うのは、温浴施設やビジネスホテルを中心に漫画コーナーの導入を提案しているハイドコーポレーション。共用部に設置された漫画は入居者の属性などを考慮し、人気タイトルや話題作をそろえた。入居者は読みたい漫画をリクエストでき、ラインアップは3カ月に1回入れ替わる。入れ替え作業も、ハイドコーポレーションが実施する。
トーセイ・アセット・アドバイザーズの担当者が、2025年に開催された「賃貸住宅フェア」に来場した際、ハイドコーポレーションと出合ったことが、今回の導入のきっかけとなった。物件が立地する秋葉原はアニメや漫画などサブカルチャーの地として、外国人にも人気のある場所となる。入居者の属性や所在する秋葉原と漫画に親和性があると考え、設置に至った。
棚の上には担当者が用意したアニメキャラクターのフィギュアが設置された
トーセイ・アセット・アドバイザーズ、私募ファンド運用本部第一事業本部の藤野智輝チームリーダーは「漫画は1冊400円前後と購入コストがかかるうえ、重量があり居住スペースを圧迫しやすい。金銭面と居住空間の双方を考えると、レンタル形式で提供するほうが合理的であると考えた。例えば月に20冊購入する場合、1万円近い負担となるが、そのコストを抑えられる。外国の方にはこれをきっかけに日本の文化を身近に感じてもらいたい」とコメントした。
漫画コーナー設置のために、アーティストに特別に描き下ろしてもらったアート
導入にあたり、投資家からは地域の特徴を生かしたサービスの提供に面白みを感じてもらえたという。「漫画コーナーを設置することで、入居者の満足度や物件のバリューを上げられる。賃料増額や物件の稼働率アップにつなげていきたい」(藤野チームリーダー)
(2026年2月9日2面に掲載)




