賃貸仲介事業を行うIRIS(アイリス:東京都世田谷区)の顧客は9割がLGBTだ。2014年の設立から5年間で100人以上の部屋探しをサポートしてきた。
9割がLGBTの部屋探し
18年まで1人だった営業スタッフは年々増加する利用者に対応すべく増員を図り、19年に3人体制となった。
集客の柱となっているのは自社ホームページだ。5人のライターのうち3人はLGBT当事者。月間の閲覧数は16年の100件に対し、19年は1万件にまで伸長したことから、LGBTに特化した部屋探しのニーズが増えている現状がうかがえる。
近年、不動産業界でもLGBTに配慮した活動を行う企業の取り組みが増えてきた。こうした中、同社が他社と大きく異なる点は、全4人の社員がLGBT当事者であるところだ。LGBTではない担当者には相談しにくいことを安心して話すことができる点が同社の強みであり、利用者にとっても心強い。
ただ、LGBTの部屋探しは時に厳しい現実に直面することがある。須藤啓光社長は「物件確認や内見時に、入居希望者が同性カップルであることを管理会社や家主に告げると、入居を断られることも少なくない」と語る。