大林組(東京都港区)は、中高層RC造マンション向けの「梁底PCa(プレキャスト)工法」を開発したことを10月8日発表した。
「梁底PCa工法」とは工場生産した部材を施工現場で揚重機により組み立てる施工法。今回、同工法が対象とするのは、在来工法で施工されることの多かった10~15階程度の中高層RC造マンションだ。
同工法の特長は一つ目に、従来の施工法と比較し大幅な短工期化を実現できる点だ。梁と床板の底部のみをハーフPCa部材として先に構成材を組み立てつつ、柱や壁などの鉛直部と、床・梁などの水平部の鉄筋・型枠工事を並行施工できる。在来工法では鉛直部の次に水平部と順を追って行っていた作業を同時進行できるため、10階建てRC造マンションの場合、躯体工期は在来工法と比較し最大で約2カ月の短縮になる。特長の二つ目が工事の省力化だ。従来工法では、梁底や床板の型枠の施工に多くの作業員を要していたが、「梁底PCa工法」では、柱や戸境梁の鉄筋は、一体化して揚重機で取り付けることで大幅な省力化が図れる。加えて、工場で生産することで、品質を安定させることも可能だ。既に、首都圏で10階建ての板状集合住宅3物件に適用しており、今後さらに1物件での適用を予定しているという。