建築・企画設計や総合エネルギー設備工事、環境衛生事業などを手掛けるDAIJU(ダイジュ:大阪市)では、サービス付き高齢者向け住宅をはじめとする福祉施設に自家消費型太陽光発電を販売・設置する事業に注力している。
コスト削減や災害時の電源確保に
従来、売電収入を得るための太陽光発電の販売と設置工事を行っていた。5年ほど前から固定価格買取制度の終了を見越し、高齢者施設に自家消費型の太陽光発電を設置する提案に取り組み始めていた。施工件数は増加傾向で2019年度に比べ、20年度は2倍に増えた。対象の施設は、サービス付き高齢者向け住宅や有料老人ホーム、デイサービスなど多岐にわたる。電気を消費する施設であれば、業態や規模を問わない。
高齢者施設が自家消費型の太陽光発電を設置するメリットは大きく分けて三つ。一つ目は電気代が削減できること。二つ目は減価償却費による節税効果があること。三つ目は、災害発生など緊急時の電源が確保できることだ。また環境問題である低炭素化社会の実現に貢献できる側面もある。
自家消費型の太陽光発電を設置するには、建物の電気利用量に応じて最適な発電量を調整する技術が必要だ。発電量が多く余剰電力が発生した場合、売電しても価格が安く、投資効率が低下するためだ。余剰電力を出さずに、全ての電力を自家消費すると、設置にかかる費用を12年で回収できる計画だ。自家消費するためには、キュービクルと呼ばれる、高い電圧を施設で使えるように変換する機械を収めた設備の改修もあわせて行う。
杉林大樹副社長は「施設運営事業者にとってメリットが大きく、引き合いが増えている。太陽光発電の販売をさらに強化していくとともに国際社会共通の目標であるSDGsにも貢献したい」と意気込みを語る。
(4月26日・5月3日8面に掲載)
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