全国の不動産会社へのアンケート取材を基に、賃貸マーケットの繁忙期を振り返る恒例企画をお届けする。1月に発令された二度目の緊急事態宣言により、賃貸仲介はコロナ禍の影響の直撃を受ける。地域や顧客の属性によって大きく成約動向に違いが出た。人の流れが抑制され、オンライン接客のニーズが高まったのも特徴だった。
入居を慎重に決める学生が多い傾向
エスエストラスト、授業方針定まらず入居日後ろ倒し2割
今繁忙期のもう一つの特徴は首都圏における学生と法人の仲介が低調だった点だ。
学生の成約動向を比較していくと、首都圏の企業では「よくなかった」との回答が71%に上った。対し、首都圏以外では49%と、22%の差が出た。法人の成約動向では、首都圏の企業は「よくなかった」が65%、首都圏以外は53%とこちらも12%の差がついた。
八王子市を中心に仲介を行うエスエストラスト(東京都八王子市)では、今期の繁忙期における仲介件数は微減で、特に学生の仲介が厳しかったという。
同社は繁忙期を昨年度の11月~3月と捉えており、その間の成約件数は1125件と昨対比92%だった。仲介のうち学生は7割を占める。