新型コロナウイルスワクチンの職域接種が不動産業界においても広がりつつある。主に従業員とその家族を対象としている企業が大半だが、森ビル(東京都港区)やシノケングループ(同)のように、管理物件の入居者も対象に加えたケースが出てきている。一方、職域接種の想定以上の申し込みで厚生労働省では新規の申し込みを停止しており、大規模な職域接種を予定していた企業では申し込み通りにワクチンが供給されるかに懸念を抱いている。
森ビルやシノケンは入居者も対象
シノケングループ、1000人分を確保
一棟アパートを販売・管理するシノケングループは、6月27日から同社グループの東京本社セミナールームでワクチンの職域接種を開始した。対象は、同社グループの社員とその家族、取引先に加えて、首都圏で同社グループが管理する物件の入居者だ。1000人分、2000回のワクチンを確保しており、6月27日、7月3日、4日の3日に分けて、接種を行った。問診やワクチン接種、接種後の経過を見守るための産業医など6人の医療従事者を手配した。2回目の接種は1カ月後に行う予定。