管理会社に代わって入居者からの相談を受けるコールセンターサービス会社では、「ネットが遅い。どうにかならないか」という内容の電話が増えた。通信状況の改善は、入居者が対応を望む項目として優先順位が高まっているといえる。
「無料」よりも「速度」重視
設備の老朽化に注意「IPv6」が主流に
そもそも通信速度の低下はどのようにして起こるのか。いくつか要因があげられるが、最も多いのがプロバイダー側の混雑によるものだ。回線に接続できる量には上限があるため、ユーザー数が増えるほど混雑が起こりやすくなる。
集合住宅においては、ひとつの回線を分配する場合もよくある。同一の物件内で、同じ時間帯にインターネットに接続する入居者が増えるほど回線速度が低下する。動画コンテンツなどの利用が多い夜間のほか、テレワークの普及で在宅率が高まっている現在は、会社の始業時間や学校の授業が始まる時間などにネット利用が集中しやすく、通信の遅延につながっている。