今さら聞けない民法改正⑥

【連載】新・法律エクスプレス 第10回

法律・制度改正|2021年05月31日

 私は、配偶者居住権を取得しましたが、老人ホームに行くことになりました。お金がかかるため、配偶者居住権を売りたいと考えています。建物を相続した人に対し、一方的意思表示により、配偶者居住権の買い取りを求めることはできますか。できない場合、配偶者居住権を利用してできることはありますか。

配偶者居住権は第三者への譲渡不可

 結論として、配偶者居住権の取得者は、建物所有者に対し、一方的な意思表示によって配偶者居住権の買い取りを求めること(配偶者居住権の買い取り請求)はできません。そもそも、配偶者居住権とは、相続開始のときに居住していた配偶者に認められる権利であり、①配偶者が相続開始のときに被相続人所有の建物に居住していたこと、②その建物について配偶者に配偶者居住権を取得させる旨の遺産分割、遺贈、または死因贈与がされたときに成立します(民法第1028条第1項、第554条)。

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