耐震工事での立ち退きは困難

【連載】新・法律エクスプレス 第41回

法律・制度改正|2024年03月27日

 私が賃貸する物件が築42年になり、耐震診断を行ったところ、「倒壊する可能性が高い」と判断されました。そこで、現在の建物から耐震性能を付加した新しい建物に建て替えたいのですが、現在居住する住人を退去させることはできるのでしょうか?

期間の定めのない賃貸借契約での解約申し入れ

 期間の定めのない賃貸借契約や有効な中途解約条項がある賃貸借契約の場合、賃借人を退去させるには、賃貸人は賃借人に解約申し入れを行う必要があります。解約申し入れの日から6カ月経過すれば賃貸借契約は終了します。(借地借家法27条1項)

 もっとも、解約申し入れには「正当事由」が必要です。賃貸人と賃借人が建物の使用を必要とする事情のほか、建物の賃貸借に関する従前の経過、建物の利用状況や現況、賃貸人による立ち退き料を支払うと申し出た場合のその申し出を考慮して、「正当事由」の有無が判断されることとなります。(借地借家法28条)

 裁判例では、修繕の規模や費用などに照らして、所要の修繕を行うことで耐震性を補完できるかという点を、「正当事由」の有無を判断するうえで考慮する傾向にあります。

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