国内750万件以上の賃貸住宅データを抱えるスマサテ(東京都目黒区)の高澤郁理取締役が、自社のビッグデータを基に実態を伝える連載。第二回は「水回り」の設備について紹介します。
まずは、「室内洗濯機置き場」について見ていきます。
すべての地域で平均付帯率が80%以上となっています。
「バス・トイレ別」も同様の傾向です。
前述の二つの設備は地域性や築年数の傾向など関係なく高い付帯率となっていることが確認できます。
築21年以降温水洗浄便座付帯率30%以下に
続いて「独立洗面台」について確認していきます。新築~10年までの築浅物件に関しては全地域で80%を超す付帯率となっています。21年以降になると50%以下になる傾向となり、特に東京では21~35年は35.3%と全地域の中で低い値が確認できます。「温水洗浄便座」に関しても同様に21年以降に大きく付帯率が落ち、ほとんどの地域で30%以下となっています。これらの設備は築浅物件の付帯率を見ると近年で需要が大きくなったことが確認できます。
浴室乾燥機、システムキッチンは地域差顕著に表れる
次に「浴室乾燥機」について確認をしていきます。 東京、大阪のような大都市圏では平均で40%ほどの付帯率となっています。しかし、北海道では平均で10%と小さな値となっています。
まだまだ地域による差が大きくある設備であることが見て取れます。
「システムキッチン」に関しても大都市圏では50%近い付帯率となっていますが、そのほかの地域では30%前後となっています。
水回り設備の中でも室内洗濯機置き場やバス・トイレ別のように必須設備になりつつあるものや、浴室乾燥機やシステムキッチンなど都市圏での導入が盛んな設備など地域性が出るものに分かれました。
設備導入を検討する際はデータや周囲の類似事例の状況確認を行い、募集戦略をしっかりと立てて行うことが大切であると再確認しました。
スマサテ
東京都目黒区
高澤郁理取締役
全国で約1200社の不動産会社が利用する、AI賃料査定システム「スマサテ」の事業責任者
(2022年2月28日18面に掲載)