介護施設の運営やIoT機器の開発を手がけるインフィック(静岡市)は2020年8月より、空間センサーを利用した家庭用高齢者見守りシステム「LASHIC home(ラシクホーム)」を提供している。
介護の知見生かした機能も
同システムは通信用の親機と空間センサー付きの子機がセットになっており、居室の隅に設置した子機が温度・湿度・照度、人の動きを検知する。一定期間動きが検知されないときや、居室内が熱中症を発症する恐れがある温度・湿度になった際には、親機を通じて専用アプリに通知が届く仕組みだ。利用にはインターネット環境が必要。主に管理会社向けに、複数の居室の状態を一元管理で見守ることができるシステムや、緊急時の駆け付けサービス、設置場所にネット環境がない場合のための通信端末貸し出しといったオプションも提供している。
月額利用料金は1078円。このほかに初期費用が2万1780円かかる。月額料金2178円(いずれも税込み)の初期費用なしのプランを選択することも可能だ。
介護施設の運営で蓄積したノウハウを生かしたレポート機能が特長の一つ。センサーで検知した運動や睡眠の状況から、健康のために気を付けるべき事項を1カ月ごとに報告し、行動変容を促すことができる。睡眠のサイクルなどから認知症の予兆を捉えることも可能。
インフィックでは18年4月から、介護施設向けの見守りシステム「LASHIC care(ケア)」を販売してきた。23年6月末時点で約8500台が稼働中だ。ドアセンサー、ナースコール、呼び出しボタン、LASHIC homeと同じ空間センサーなどの中から必要な機器を組み合わせて使用する。同社の増田正寿社長は「介護の現場で本当に必要だった機能を搭載した見守りサービスを、持ち家や賃貸住宅で暮らす高齢者の生活にも役立てたい」と話す。
インフィック
静岡市
増田正寿社長(56)
(2023年8月14日9面に掲載)