企業研究vol.123 アミックス 末永 照雄 社長【トップインタビュー】

アミックス

企業研究|2021年09月09日

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アミックス  東京都中央区 末永 照雄 社長(65)

 老舗管理会社のアミックス(東京都中央区)は、土地活用で建築を請け負ったアパートや販売した賃貸住宅の一括借り上げで成長。管理戸数は1万戸を超えた。安定したマーケットを維持できる都内をメーン商圏とし、事業の継続的な成長を目指す。末永照雄社長は「資産家の資産組み替えの需要も増えていくので、資産を管理できる会社として差別化していく」と話す。

管理1万戸突破、資産管理会社として成長目指す

14年間で2000戸増加 売上は91億円に伸長

―管理戸数が安定して伸びています。

 当社は東京都内、特に江戸川区、足立区、葛飾区を中心として賃貸住宅の管理を行っています。一部は千葉県や埼玉県内に立地していますが、8割以上は都内の物件です。管理物件のうち借り上げが約9割で、管理戸数は2007年からの14年間で2000戸ほど増え、8月末で1万1戸と大台の1万戸を超えました。売上高は前期で91億2800万円です。事業構成別の売上比率では、賃貸管理が75%、建築請負が20%、リフォーム4%、売買仲介1%となっています。管理事業に借り上げ賃料収入を含むので、管理の売り上げが大きくなっています。

アミックスの管理戸数の推移

―賃貸住宅マーケットの最近の動きについてどのように受け止めていますか?

 当社の管理物件の入居者で飲食業を行っていたが、厳しくなり実家に帰るため退去したなど、新型コロナウイルス禍の影響も一部ではありました。ただ、全体的な入居率はコロナ下においても安定しており、現場の部屋探しの需要として利便性の高い場所に立つ物件が求められている点で大きな違いは感じられません。賃貸住宅のマーケットは、長期的な目線で見ることが大切だと考えています。日本の人口は08年をピークに減っており、60年には1億人を割る予測が出ています。つまり、30年間で3000万人弱減るわけです。全国の各市町村の98%が人口減となり、人口が増えるのは2%のみ。先々、東京への一極集中は進んでいくでしょう。人口が減る中でも東京は40年まで単身世帯数が減らないとの推計が出ており、事業環境としては安定しています。現在の都内中心の事業展開は継続していく方針です。土地活用としてアパートの建築を年20棟ペースで請け負い、木造3階建てで6~9戸規模の自社開発アパートの販売を同じく年に20棟ほど行ってきました。販売価格は土地と建物を合わせ1億円ほどが中心で、表面利回りは6~7%が目安です。購入者は、資産家が多いですが、地方や郊外に持っていた不動産を売却して、都内のアパートを購入する資産組み替えのニーズが高いです。土地活用に関しては、都内で土地30坪の戸建てを持っていれば、アパートに建て替えられます。都内での事業の伸びしろはまだまだ大きいでしょう。

電子申し込み2000件 効率化で家主サービス向上

―ITを活用しての業務効率化にも力を入れているそうですが、効果が出ている取り組みはありますか?

 18年から入居の電子申し込みサービスを始めました。この1年で2000件の利用がありました。そのうち、8割は賃貸借契約も電子化しています。当社では、借り上げが中心のため、直接契約であれば契約も電子上で可能です。スマートフォンで契約ができるため、管理部の業務省力化の効果が上がっています。今後は、契約業務が軽減されたことで、人員を減らし、家主への営業に振り向けていきます。当社の管理物件の入居者は約1万人、それに対して家主は約400人です。人数の多い入居者に対しては、ITを活用した業務削減はスケールメリットが出て効率的です。その一方、人数が少なく、長期にわたっての関係性が求められる富裕層のオーナーに対しては、顧客の望む選択肢を数多く提供し、手厚く対応していくことが重要だと考えています。20年にはグループ会社のアミコム(東京都中央区)で不動産特定共同事業の許認可を取り、1口100万円の小口化商品「あみシェア」の提供も始めました。任意組合のため相続税対策にもなります。第1弾の足立区の区分マンションでは、3億2500万円の募集分は38日で完売しました。既存オーナーを中心に販売しましたが、銀行に預けるより有益だと考えて購入を決めた顧客が多かったです。加えて国内に限らず、海外の不動産の紹介も始めています。カンボジアに子会社を設立し、名義貸しで、顧客が70~100㎡ほどの分譲地を100万円ほどで取得できます。資産組み替えの提案の幅を広げ、顧客が財産を増やすにあたって資産を預けていただき管理する会社として差別化していきます。

―経営の目線から家主への提案のできる人材が必要ですね。

 当社では専門性があるスキルを持った人材の育成に力を入れています。IREM JAPAN(アイレムジャパン:東京都港区)の主催する資格である米国の不動産経営管理士(CPM)の取得者は20人おり、公益財団法人日本賃貸住宅管理協会(東京都千代田区)の資格である相続支援コンサルタントは40人が持っています。

―今後、注力していく事業はありますか?

 テナントリテンションを高めていくことです。特に、高齢入居者向けのサービスに力を入れていきたいと考えています。管理物件に見守りサービスを付け、認知症や孤独死といったリスクを抑制しながら、安心して住める物件を提供していきたい。賃貸住宅が余ってくる中、10~20年と長期で住んでくれる高齢入居者はサブリース会社にとってありがたい存在になります。目標の1万戸を達成したので、資産管理会社としてさらなる成長を目指します。

自ら海外8カ国で不動産投資

 「趣味は不動産投資」と言い切る末永社長は、日本以外の8カ国で不動産を取得し、賃貸経営を行う。自分でも現地に足を運ぶが、特に重視するのは現地のビジネスパートナーだ。最近では、人口増加の著しいアフリカのナイジェリアで投資をしたいと考え、現地で管理を任せられる人物を探すため人脈を駆使。元国際青年会議所の会頭もしていたパスカル・ディケ氏と知り合い意気投合。ナイジェリアでの不動産投資を開始するに至った。決めたことは実現する行動派だ。

ナイジェリアでパートナーを見つけ、住宅用分譲地を取得し、不動産投資を開始した

ナイジェリアでパートナーを見つけ、住宅用分譲地を取得し、不動産投資を開始した

<会社概要>

社名:株式会社アミックス
所在地:東京都中央区八重洲1-3-7 八重洲ファーストフィナンシャルビル13階
設立:1987年5月
資本金:3100万円
事業内容:賃貸住宅の管理・企画・仲介、建築の企画・設計・請負、リフォーム・リノベーション、不動産の売買仲介、損害保険代理店

<会社メモ>

1956年に、末永社長の父が東京都豊島区目白で不動産業を開始。81年、賃貸住宅の借り上げ事業を開始。87年5月、不動産・建築会社6社が合併する形でアミックスを設立。都内の単身向けアパートを中心に建築や販売後に一括借り上げするビジネスモデルで成長。2011年に三光ソフランホールディングスグループ入り。相続コンサルティングにも力を入れる。

<社長メモ>

1956年8月2日、東京都新宿区生まれ。上智大学法学部卒業。大学在学中に、東京・目白で不動産業を営む父の体調不良を機に、家業を手伝うようになる。1987年、アミックス設立時に代表取締役社長就任。公益財団法人日本賃貸住宅管理協会の副会長やIREM JAPANの会長なども歴任し、賃貸管理業界の発展のため貢献。

(9月6日21面に掲載)

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