不動産評価Webサイト「TAS-MAP」を運営するタス(東京都中央区)は、3月28日、「賃貸住宅市場レポート 首都圏版 2013年3月」と「賃貸住宅市場レポート 関西圏・中京圏版 2013年3月」を発表した。
首都圏版では「2012年第4四半期1都3県賃貸住宅市況図」、「東京23区の空室率に悪化の兆し」および「2013年1月期の1都3県賃貸住宅指標」を掲載。
2012年第4四半期1都3県賃貸住宅市況図を参照すると、東京23区では、江東区、荒川区が「やや良い」から「やや悪い」に、北区が「やや悪い」から「悪い」となった。千葉県は「やや悪い」から「悪い」となった。
市況の上昇を示す地域が第3四半期の4地域から第4四半期は2地域と減少した一方で、下降を示す地域が第3四半期の10地域から第4四半期は11地域と増え、減速感が強まっている。
東京都の貸家着工数は、リーマン・ショック以降は月当たり4000戸前後で推移していたが、2012年以降は微増。
2013年1月時点で月当たり貸家着工数は4556戸となっており、1年で10%強増加している。
今後も、アベノミクス効果による景気の回復や、相続税・消費税の増税前の駆け込み需要など、賃貸住宅の着工数を増加させる要因が多く、着工数は増加傾向で推移するという。
その一方で東京23区の世帯数の増加スピードは減少。
現状の世帯数増加幅の減速と、着工数の増加が継続すれば、需給ギャップが拡大し空室率の悪化が懸念されるという。
賃貸住宅市場の健全性を維持するためには、業界にもストックの総量を増やさない配慮が不可欠だとレポートしている。