『リノベっが』ブランドでリノベーション事業を展開する大城(鹿児島市)は、地元のガス会社と連携して、賃貸マンションをエコリノベーションするプロジェクトに取り組んだ。断熱材の施工や窓の性能を高めて快適性を大幅に向上させ、空室率の改善につなげている。
家賃も上がって見学会中に成約
物件は、鹿児島市電唐湊線「加治屋町」駅徒歩4分の『ルクール西千石』。鹿児島市内の中心部まで歩いて10分ほどの位置にあり、立地条件は良い。一方、築38年のRC造5階建てで無断熱、エレベーターなし、間取りは2DKで浴室はタイル張りと、住み心地や使い勝手の悪い物件だった。
近年、部屋の寒さが退去理由の上位にあがるようになっている。今回のプロジェクトは、断熱改修によって快適な環境をつくることで、長期入居を促進するのが狙いだ。大城仁社長は「賃貸でも新築の戸建てのような、圧倒的な快適性」を目指したと話す。
改修したのは、空室が続いていた5階の2室。スケルトン状態まで解体し、天井と壁、床に断熱材を施工した。現行の省エネ基準では室温が不十分と判断し、HEAT20(2020年を見据えた住宅の高断熱化技術開発委員会)が定めた最高の基準・G2グレード相当の断熱性を確保した。