管理戸数1200戸の千歳不動産(山形市)は、管理を軸にしながら、価格競争に参加しない姿勢を貫き、管理手数料8%を継続。家主の満足度向上に向き合いつつ、堅実経営の方針を貫く。武田晃士社長は「管理項目で差別化は行っていないが、質の高さは自負している。限られた従業員数でカバーできる業務内容で安定した経営を目指す」と語る。
堅実経営貫き創業66年目
商圏は山形市。売り上げのうち、賃貸管理事業が6割、賃貸・売買仲介事業が4割を占める。従業員数は12人。本社と賃貸仲介店舗「賃貸プラザ」の2拠点を構える。
同社は創業66年目。建設事業を手がける千歳建設(同)のグループ会社だ。だが、グループで建設した賃貸住宅の管理は受託していない。既存オーナーや取引先の顧客紹介により、管理戸数を着実に獲得してきた。
この5年で管理戸数は100戸ほどのペースで純増。管理物件の入居率は86.5%で、エリアの平均入居率より5.2%高いという。80人の地主系オーナーから管理を受託し、中には3世代にわたって関わりを持つオーナーもいる。
同社の管理メニューは、全6項目。例えば「入居者管理、未収金の督促等」という項目については、入退去の立ち会いや長期不在者への対応など11の委託メニューを設ける。全項目で計25の委託メニューと、その他として既存メニュー外の管理内容に対応する。
管理業務のメイン担当者は4人。主に契約登録や家賃入金などの事務処理を行う。事務処理以外の業務は、全従業員で担う。オーナー担当制で、社員1人あたり10〜20人、管理戸数では50〜200戸を担当する。
武田社長は「管理業務における質とは、『痒(かゆ)いところに手が届くこと』と考えている」と話す。オーナー自身が所有物件の管理に関わる対応に出動することなく、家賃送金を受け取るだけの状態を守ることを同社は管理業務の質の目安としている。
管理料を8%に設定したのは1989年ごろから。当時、賃貸管理のビジネスモデルがまだ確立していない中で、同社は商圏内の地主系オーナーが所有する賃貸住宅の家賃集金代行と清掃業務を依頼されたのがはじまりだった。家賃の8%を管理料として受託することが、互いに納得のいく金額だったという。
「24万人の小さな都市でのビジネスは、強い人間関係の絆によってつくられる」(武田社長)とし、今後も事業の相談だけではなく、人生相談までを受けるような地域密着型の不動産会社を目指すとした。顧客や取引先との信頼関係の構築を図っていく方針だ。
千歳不動産
山形市
武田晃士社長(76)
(2023年5月1・8日5面に掲載)




