賃貸でEV充電設備【クローズアップ】

TerraMotors(テラモーターズ),ENECHANGE(エネチェンジ),ユビ電,日本宅配システム

その他|2023年05月18日

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日本宅配システムが販売するEV充電設備

 国が2030年代までにハイブリットでないガソリン車の新車販売の打ち止めを計画し、今後、電気自動車(EV)の普及が予想される。そうした中、賃貸住宅へのEV充電設備を導入する動きが徐々に出てきている。設備提供会社に現状と今後の可能性を聞いた。

国や自治体が補助金充実

行政は普及を推進

 環境配慮の動きを受け、EVに追い風が吹く。国は30年代までにガソリン車の新車販売の打ち止めを計画。これに先駆け、東京都は25年には新築住宅へのEV充電設備を必須とする方針を22年12月に発表した。国や自治体は導入促進を狙い、購入費用や充電設備の設置費用に対して補助金を打ち出す。経済産業省のEV充電設備への補助金は23年度予算で175億円と、22年度比で約3倍に増加した。

半数が賃貸住宅

 22年度に約400基を設置したのがTerraMotors(テラモーターズ:東京都港区)だ。うち半数の200基を賃貸住宅に設置した。

 東京都や大阪府などの都市部において、特に法人が所有するファミリー向けの家賃が高めの物件への設置がメインだ。1棟あたり2~3基を設置する事例が多いという。オーナーが法人の場合、環境配慮の意識が高く、企業PRにつながることもあるためだ。

 同社のPR・広報の酒井良成氏は「将来的には学生や20代の社会人向けの物件での設置が増えるのではないか」とコメントする。EVは今後ガソリン車より安くなる可能性が高いことを理由に挙げる。24年度には5000基、うち賃貸住宅では500基の設置を目標に掲げる。

新築に設置が基本

 EV充電設備の販売を行う日本宅配システム(愛知県名古屋市)は、全国で累計約200棟にEV充電設備を提供してきた。22年度のEV充電設置実績のうち半数が賃貸住宅だった。

 同社がEV充電設備事業を始めたのは09年。集合住宅向けの商品を中心に展開している。19年ごろから賃貸住宅でのニーズが高まり、設置数は増加の傾向にあるという。特に郊外に立つ駐車場が広い物件での設置台数が増加している。

 同社の場合、新築物件への設置を基本としている。既存物件にも対応可能だが、電気工事を行う費用のハードルが高いからだ。木本和良取締役専務執行役員は「電気容量を確保しておけば追加の設置は可能なので、最低限の台数を置き、その後増設することもある」と話す。

全駐車場に導入

 ユビ電(東京都港区)は22年度に約600基を設置した。そのうち、賃貸住宅は1割程度だったという。23年度は1万2000基、賃貸住宅にはそのうちの1割強の設置を予定している。

 同社がEV充電サービス事業を開始したのは21年から。ハウスメーカーからの受注による、各県の県庁所在地や人口が10万~20万人の都市での設置が多い。特に、転勤で引っ越してくるファミリー世帯などの顧客をターゲットとする高家賃帯の物件で需要が高いという。

 同社の白石辰郎COOは「1月には埼玉県住宅供給公社から受注し、賃貸住宅1棟の駐車場20区画すべてに設置を行った。今後も公営住宅での導入ケースは増えていくだろう」と語る。

 アパートの場合、新築時に駐車場の全区画に設置するケースが全体の約半数を占める。現時点では設置費用の8~9割を補助金で賄えるからだ。

 同社は25年末までに累計8万基の設置を目指す。

既存住宅がメイン

 ENECHANGE(エネチェンジ:東京都中央区)では、3月に累計の受注台数が3000基に達っした。

 同社は21年11月にEV充電設備事業を開始。当時は補助金対象機器を取り扱っておらず、同社独自の支援金のみで費用がオーナーの負担となることから、設置は一部にとどまった。3月からは賃貸住宅向けの設置費用0円のプランを展開。賃貸住宅での設置促進を狙う。内藤義久執行役員は「オーナーが狙う入居者層や、将来的な入居者のことを考えての設置が多い」と話す。同社は27年に3万基設置を目標に掲げる。

(野中)

(2023年5月15日24面に掲載)

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