国土交通省は15日、賃貸住宅の管理業務等の適正化に関する法律(以下、賃管法)の順守状況を確認する全国一斉立ち入り検査の結果を発表した。97社を検査し、59社に是正指導を行った。契約に関わる書面の法定記載事項の不備が多く指摘された。
検査の実施は継続方針
同検査は、1~2月に実施され、管理戸数の規模を企業選定の一つの選択肢とし、全国の管理会社およびサブリース会社を対象に行った。
97社の内訳は、管理兼サブリースを行う会社が65社。管理のみを行う会社が30社、サブリースのみを行う会社が2社。是正指導の対象となった59社については、各地方整備局員の現場での口頭による指導後、すべての会社で改善内容の確認を完了した。
指導内容のうち、管理受託契約締結時の書面交付義務違反(法14条)に関する不適切な状況が最多の28件上がった。
具体的には、締結時の書面において必要とされる11項目の中で、記載漏れがあった。
例えば、項目の6番目「管理受託契約を締結する賃貸住宅管理業者の商号、名称又は氏名及び住所並びに登録年月日、登録番号」の中の登録年月日の記載漏れといった内容だった。
国交省の不動産・建設経済局の担当者は「当省で定めている標準約款の契約書を使用することで、項目の漏れを防ぐことができる」と注意喚起した。
国交省は今後も、賃管法の周知を目的に、同様の立ち入り検査を、対象件数を拡大しながら継続する方針を掲げた。
(2023年5月29日1面に掲載)