不動産会社向け業務支援システムの開発を手がけるRESA(リーサ:北海道札幌市)は、空室の成約確率を計算するシステム「成約ナビ」を提供している。
顧客への物件推薦など効率化
物件管理システムと連携することで、これまでに成約した物件の間取りや駅からの距離、賃料、設備などを基に空室が成約になる確率を算出する。クリエイティブ・ウェブ(大阪市)が提供する物件管理システム「イエセレクト」との連携が可能だ。不動産会社は、イエセレクトの機能の一つである「ランキング機能」として成約ナビを利用する形となる。月額料金は2エリア2万2000円(税込み)から。
賃貸管理・仲介を行うCJSTOKYO(トーキョー:東京都墨田区)の仲介店舗「賃貸住宅サービスFC三鷹店」では、β(ベータ)版の実証を含めて1年半前から成約ナビを利用している。同社がイエセレクトに登録する物件は約3万戸。このうち約1000戸の空室の成約確率を計算し、成約確率が高い順に並べる。
同社ではランキング機能を、物件写真撮影の優先順位付けや部屋探しの顧客への接客に役立てている。山本裕之店長は「和室や駅からの距離が遠い物件でも、近隣に学校があるなどの事情で成約しやすい場合がある。そのような物件がランキング上位にくることで、部屋を顧客に勧めやすい。また経験が浅いスタッフが上司の指示なしで募集情報を充実させるための作業ができるといった利点がある」と話す。
今後は初期費用の計算など接客支援機能を強化しつつ、ほかの物件管理システムとの連携も進めていく方針だ。
(2023年11月27日9面に掲載)