2027年4月からの省エネルギー基準改定に伴うエアコン価格の高騰に備え、管理会社が工事提案に動き出している。エアコンは賃貸住宅に基本設備として導入されていることが多いため、管理会社はオーナーへの設備交換を促す。
27年問題・エアコン価格高騰に対応
省エネ基準引き上げ 高性能化で値上がり
27年4月より、エアコンの省エネ基準が大幅に引き上げられる。「2027年度基準」を指して通称「27年問題」といわれる。これは省エネ法に基づく「トップランナー制度」により、メーカーに対し出荷製品全体の平均値で高性能化割合の向上を求めるものだ。化石燃料に乏しい日本において、脱炭素社会への貢献と家庭の光熱費削減が目的となる。
27年4月以降、実質的に新基準に満たない製品開発はストップするとみられる。なお、制度上、開発の中止はうたわれていない。
向上した省エネ性能が価格転嫁されることで、エアコンは現行の普及モデルより値上がりする。
データに基づき提案 年2000台を交換へ
北海道大手管理会社の常口アトムは、27年問題および北海道の気温上昇を見据え、25年春からエアコン本体を確保する対策を本格化させている。物件価値向上と空室対策を両面で進め、価格高騰前にオーナーの設備投資を促すのが狙いだ。
具体的には、年間数千台規模のエアコンを調達。大量仕入れによるコストメリットを生かし、キャンペーン価格で設置工事の提案を行う。
山田佳道執行役員は「仲介現場では、成約判断においてエアコンの有無が大きな割合を占めるという分析データがある。エアコン未設置の管理物件では入居者アンケートを実施し、エアコンの導入による家賃値上げの同意も取るなど、オーナーの説得材料を準備したうえで提案を行う」と話す。近年の気温上昇により、エアコンを付加価値設備として、家賃の値上げとセットで提案を進められているという。
エアコン設置の年間目標は2000台に設定。26年に入ってからは、5カ月ほどで予約分を含め900台の交換実績を上げる。管理物件におけるエアコンの設置率約35% を、当面は50%程度まで引き上げることを目標としている。山田執行役員は「商品が値上がりする27年4 月時点でも、大量仕入れによる在庫分で比較的価格を抑えた設置提案を進められる優位性を持っている」と話した。また、札幌市および各地方都市で十分な施工事業者も確保しているとした。





