不動産開発を手がけるフィル・カンパニー(東京都中央区)は11月14日、新築・分譲住宅販売などを行うライフデザイン・カバヤ(岡山市)と業務提携契約を締結した。国産の木材を使用したガレージ付き賃貸住宅を共同開発し、普及を目指す。
脱炭素化の取り組み推進
フィル・カンパニーではこれまで、ガレージ付き賃貸住宅「プレミアムガレージハウス」を展開してきた。提携により、ライフデザイン・カバヤが開発した、国産木材のCLT(直交集成板)を用いた工法「LCーcore(エルシーコア)構法」をガレージ付き賃貸住宅に採用。プレミアムガレージハウスの新商品「CLTガレージ付き賃貸住宅」として提供していく。
CLTは繊維方向が直交するように木材を重ねて接着した大判パネル。軽量で断熱性や遮音性に優れ、建物の構造躯体として採用されるケースが増えている素材だ。木材利用によりCO2排出の削減にもつながるなど、環境負荷の軽減においても関心を集める。
ライフデザイン・カバヤはCLTの活用推進を目的に、2018年に日本CLT技術研究所を設立。フランチャイズチェーン本部として、CLTを使った工法を全国約60社の加盟店を通して広めている。
加盟店の1社であるフィル・カンパニーは、CLTガレージ付き賃貸住宅の取り扱いを希望する加盟店にパンフレットなどの提案資料を用意し、プレミアムガレージハウスの商標利用契約の締結を条件に利用権も付与する。入居希望者向けのウェブサイトに物件情報を掲載するなど、認知度向上を図りながら建築棟数を増やし、国産CLTの活用を後押ししていく。
フィル・カンパニーは17年よりプレミアムガレージハウスを展開。23年5月2日時点で166棟523戸の建築実績があり、年間約20棟のペースで提供している。
フィル・カンパニーの小豆澤信也執行役員・戦略事業本部長は「当社の目標として、2030年には、建築するプレミアムガレージハウスのうち50%を国産CLTにしたい」と話す。
(2023年12月18日9面に掲載)