大都市圏を中心に総合建築事業を行う髙松建設(大阪市)は11月10日、建物保証「SMAT(スマット)50」の提供を開始した。
物件の長期運営を実現
柱や梁、屋根といった建物の構造耐力上主要となる部分に関して最長50年間保証する。髙松建設が設計・施工したRC造の集合・戸建て住宅が対象となる。引き渡し後は10年ごとに点検やメンテナンス工事も実施する。
特徴は、一般的な建物保証の保証期間が10年であるのに対し、保証期間を50年と長期で設けていることだ。
提供開始の背景には、物件の保全を第一とした事業に注力する狙いがある。スクラップ・アンド・ビルドによるCO²排出や廃棄物の削減、長く住み続けられる街づくりなど、SDGs(持続可能な開発目標)に配慮した事業展開のための取り組みとして位置付ける。
オーナーの不動産を守ることや、不動産活用を長期的に支援することも同サービスを開始した理由だ。嶋村邦彦品質監理本部長は「メンテナンスや賃貸管理も含めて、50年間の長期保証を付帯することにより、オーナーへ安定した賃貸経営を訴求・提供する」と話す。
SMAT50の提供と併せて、「50年一括借り上げシステム」の提案も始める。同社のグループ会社で賃貸管理事業を手がける髙松エステート(同)が、SMAT50で保証する物件のサブリース(一括借り上げ)を行う。髙松建設グループとの賃貸管理やメンテナンス契約がSMAT50の加入条件となる。
「髙松建設のモットーであるオーナーへの『長期にわたるお役立ち』となれるよう、各エリア担当者はもちろん、建物を通じて地域の発展や地球環境保全に貢献できるよう提案を行っていく」(嶋村品質監理本部長)
(2023年12月18日8面に掲載)