主に賃貸マンションの建築を手がける髙松建設(大阪市)は、2022年11月7日に一般社団法人日本生活文化推進協議会(同)が運営する「第9回ベスト・プロデュース賞」を受賞した。同社が世界最古の企業である建築会社、金剛組(同)の経営再建を支援したことが評価された。
1400年超の歴史守る
ベスト・プロデュース賞は、日本文化の継承に寄与した企業や団体をたたえるため、同協議会が創設した。髙松建設が経営の立て直しに寄与した金剛組は、聖徳太子が百済より招いた金剛氏により、578年に創業された寺社・仏閣の建設会社だ。以来1400年以上の歴史を誇るが、2005年には事業拡大のための不採算工事を請け負い、経営が悪化。状況を知った当時の髙松建設の会長であった髙松孝育氏が、金剛組の建築技術を守るため、資金援助を行った。金剛組は髙松建設が新たに設立した金剛組に営業権を譲渡。髙松建設の子会社として、社員や技術を継承しながら経営難を乗り越えることができた。
髙松建設の髙松孝年社長は「22年は聖徳太子の没後1400年の年であるため、このタイミングでの受賞は光栄だ。伝統的な技術を継承し続けられるよう、当社も質実な経営を行っていく」と語る。
髙松建設
大阪市
髙松孝年社長(52)
(2023年1月2日・9日32面に掲載)