サウナブームを背景に、サウナ付き賃貸が数を増やしつつある。サウナ付き物件に特化したポータルサイト(以下、ポータル)では問い合わせが2年で2.5倍に増加し、入居希望者からの需要は右肩上がりのようだ。サウナ付き賃貸を企画する事業者では、満室までの期間が短縮したり、周辺相場の2倍の家賃で成約したりするなど効果が出ている。
相場の賃料の倍で成約も
平均予算15万円
サウナ付き物件に特化したポータル「サウナ不動産」の管理・運営を行うENABLE(エネイブル:東京都豊島区)の矢木悠太郎社長は「世間一般でのサウナブームは落ち着きつつあるが、問い合わせ数は運営開始当初から2年で2.5倍になった」と話す。
サウナ不動産は2021年に運営を開始し、アクセス数は平均で月間約3000PV(ページビュー)。賃貸・売買物件を掲載するほか、サウナ設置のためのリフォームやサウナ施設開業の相談も受け付ける。
問い合わせのうち、8割が賃貸物件に対するもの。20~40代からがメインで、女性が若干多い。8~9割が単身者で、賃料の平均予算は15万円だ。
取り扱うのはサウナ付きの物件、もしくは近隣にサウナ施設がある物件だ。23年12月8日時点で、約40棟の賃貸住宅を掲載する。特に多いのは共用部にサウナがある物件で専有部に設置する物件はごくわずかだという。タワーマンションが共用部の設備としてサウナを設置していることが多いためだ。
矢木社長は「近年はタワマン以外で専有部にサウナを設置する賃貸住宅が数カ月に1棟のペースで出てきている」と話す。