公信の原則と権利外観法理【宅建試験解説】

【連載】2019年宅建試験まるかわり解説

管理・仲介業|2019年07月08日

虚偽の登記情報を信じて不動産を購入したら?

所有者の状況次第で取得できる可能性があります。

登記情報を信じた人は即時取得できる?

 即時取得はできません。民法192条は「取引行為によって、平穏に、かつ、公然と動産の占有を始めた者は、善意であり、かつ、過失がないときは、即時にその動産について行使する権利を取得する」と定めています(即時取得)。条文から明らかですが、この即時取得の対象は「動産」に限定されているので、「不動産」については適用がありません。したがって、登記情報を信じただけでは、即時にその不動産を手に入れることはできません。

登記情報を信じた人は?一切保護されないの

 もちろん、他人の所有する不動産を、自分の名義になっていることを利用して売却し、結果的にその不動産を買主に移転できない場合は、売主としての担保責任や債務不履行責任、場合によっては詐欺として、損害賠償責任を買主に対して負います。ただ、このような違法行為まで行って他人の不動産を売却する人に対して、損害賠償請求することができるといわれたところで、買主は納得できないのが普通でしょう。やはり、購入した不動産を取得するという方法で保護されるのが一番です。そこで、民法の条文解釈を駆使して保護する方法が学説や判例により示されています。その一つが、民法94条2項の類推適用です(110条も類推する場合があります)。

民法94条2項を直接適用できないの?

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