イタンジ 植松 隆 CEO システムエンジニアを経て大手SIerでITアウトソーシング営業に従事し、2012年にセールスフォース・ジャパンへ入社。営業部長や常務執行役員などを歴任し、日本企業のDX推進に携わる。
6月1日付でイタンジのCEOに就任した植松隆氏。CRM大手での経験を生かしながら、同社が保有する不動産データとAIを掛け合わせ、新たな価値創出を目指していく。賃貸取引の電子化をけん引してきたイタンジにおいて、今後どのような成長戦略を描くのか。そして、AI時代の展望について話を聞いた。
「暮らしを支えるインフラに」
「情報」と「人材」、両方に魅力
――まずCEO就任までの経緯を聞かせてください。
私はこれまで15年間、CRMの世界でさまざまな企業の支援を通じて「顧客のビジネスを成功させるためにデータをどう活用するか」を考え続けてきました。その中で、顧客企業の不動産会社と関わってきましたし、引っ越しなどを通じて利用者としても接する機会がありました。そこで、自分の経験や知見をどこで生かすかを考えたとき、不動産業界に大きな可能性を感じたのがきっかけでした。
――イタンジのどの部分に魅力を感じましたか。
不動産業界には紙中心の業務や、多数のプレーヤーが介在する商慣習など、日本特有の構造があります。その中でイタンジは、申し込みから内見、契約までをつなぐプラットフォームを構築してきました。この基盤を活用すれば、業界全体の流通をよりスムーズにできる。そこに大きな魅力を感じ、経営を引き受けることにしました。
――これまでCRMで多様な業界と接点を持たれていますが、それらと比較した際の不動産業界の特徴はどこにあると思いますか。
不動産は仲介会社や管理会社、オーナーなど多くの関係者が関わり、業務も複雑です。しかし、会社が違っていてもデータがつながっていれば、一つの組織のように業務を進めることはできます。私はそこに不動産市場の面白さを感じています。
――不動産市場における御社の役割をどう見ていますか。
不動産業界の各領域の会社がデータを共有し、活用することで、より効率的な取引やサービス提供が可能になる。その仕組みをつくることができるのが当社だと思っています。またAIの進化も大きいですね。これまではITリテラシーの高い人しか使いこなせなかった技術が、今では自然言語で誰でも利用できるようになりました。AIによってデータ活用のハードルは劇的に下がっています。





