発電機や非常食を設置
マンション開発を手がけるエスリード(大阪市)は9月27日、愛知県名古屋市に防災設備付きの賃貸マンション「エスリード葵 広小路通」を竣工予定だ。年初の能登半島地震や南海トラフ沖地震への警戒などで高まる防災意識に着目し、開発に至った。
共用部には、リチウムイオン蓄電池やカセットボンベ発電機を設置。ランタン、救急セット、寝袋、全居室の3日分の水と食料などを備蓄する。さらに専有部には、懐中電灯やアルミブランケット、使い捨ての食器などをセットにした「防災リュックセット」を備え付ける。
管理を担当するグループ会社、エスリード賃貸(同)の中澤博司社長は「南海トラフ沖地震への注意喚起の報道などで防災意識が一段と高まっている。専有部への防災グッズ設置は賃貸住宅では珍しく、他社物件との差別化になると期待している」と話す。
同物件は名古屋市営地下鉄東山線新栄駅から徒歩5分の位置に立つ。RC造95戸で、間取りは1Kと1LDKの2種類。主に若い単身者を入居ターゲットとするが、1LDKには2人での入居も可能だ。
同物件では、ほかにも同社初の試みを採用している。一つ目は、ガス・電気の供給を行う東邦ガス(愛知県名古屋市)のワンドリンクサブスクリプションサービス「フラノミスタ」の提供だ。同サービスの加盟店で660円(税込み)以下のドリンクが、毎日1杯無料で飲めるサービス。同物件の付近には20店以上の加盟店がある。本来は月額利用料金550円(税込み)のところ、入居者は入居開始から1年間無料で同サービスを利用できる。
二つ目は、居室で猫の飼育を可能とした点だ。猫の飼育は仲介会社から問い合わせが来ることが多く、入居者の部屋決めへの寄与を期待しているという。
(2024年9月9日7面に掲載)