宅建事業者の注意義務

【連載】新・法律エクスプレス 第65回

法律・制度改正|2026年05月31日

 私(宅建事業者)は、建物所有者の委託を受け、定期建物賃貸借契約締結を媒介しました。そのとき、賃借人に対して必要な説明などを怠ってしまい、後になって賃借人が契約更新を主張するなどトラブルとなりました。現在、建物所有者から損害賠償請求を受けています。これに応じる必要があるのでしょうか。

賃貸借契約の媒介でミス 宅建事業者に一部賠償責任

 宅建事業者のミスによって依頼者に損害が生じた場合、債務不履行に基づく損害賠償責任(民法415条1項)を負うと考えられます。

 東京地裁令和6年1月29日判決において、建物賃貸借契約の媒介を受任した宅建事業者は、委任の趣旨に従い、善良な管理者の注意をもって、依頼者の目的が達成できるよう媒介の業務を行う義務(民法656条、644条)、また、依頼者の意図を実現するために必要な手続きが履践されているかにつき各段の注意を払い、もって、取引上の過誤による不測の損害を生ぜしめないよう配慮すべき業務上の一般的注意義務を負うと判示されました。

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