運用型免許で差別化
スターツ信託(東京都中央区)が、高齢の不動産オーナーから、土地や不動産管理を受託する「商事信託」の契約を拡大している。顧客対象は、家族に資産の管理を任せにくい状況にある不動産オーナーだ。終活や認知症リスクに備えた財産承継対策としてのニーズも高まっている。同社による商事信託の累計契約数は2009年のサービス開始以降341件となり、23年は31件の新規契約を結んだ。商事信託契約を結ぶと、スターツ信託は、自社の裁量で、オーナーの不動産を管理・運用する。オーナーとの間で事前に定めた方針に基づき、日々の入出金管理、入居者との賃貸借契約、修繕工事の発注などを行う。
所有する不動産をすべて信託するオーナーもいれば、一部だけを信託する人もいる。承継する側の親族の事情によって不動産管理に割ける時間や知識が異なるためだ。例えば、長男が不動産管理に割く時間があり、長女にその余裕がない場合、長女に承継する予定の不動産のみ商事信託を活用するといった事例がある。