10件を売買、5棟の建築請負
賃貸管理・仲介事業のほか、建築事業も手がけるオールハウス(広島県府中町)は、オーナーの相続対策の提案に力を入れている。相続時の管理替えを防ぐことが狙いで、売買仲介や建て替え、新築を受注するといった効果が出ている。
商圏は広島県安芸地区と広島市で、約3800戸を管理する。管理を受託するオーナーは450人(11月1日時点)で、そのうち約7割が地主かつ60歳以上だ。
オーナーの死去によって、相続人が管理替えをするほか、他社に物件の売買仲介を依頼するケースが増えたため、相続対策提案を始めた。
事前に相続相談を受けるためのセミナー開催と、相続が発生した際のフォローの2軸で対策を進めている。
オーナーの相続対策でオールハウスが新築した物件
セミナーは同社が提携する税理士や司法書士と同社の社員が講師を務めるものと、同社社員のみが登壇するセミナーを開催している。
大規模セミナーは年に1回、定員50人で行うが、23年は100人の希望者が集まり、2回に分けて実施した。小規模セミナーは定員10人の5回連続セミナーを、年2回実施している。セミナーの参加者の6割が自身の相続を考えているオーナーだ。40歳から90歳までと次世代のオーナーも含め幅広い年齢層が参加。
セミナー参加者の約2割が追加で個別相談を希望した。所有物件の診断や誰に相続したいかも聞き取り、売却や建て替え、新築といった案件の獲得へつなげている。その結果、23年10月から24年9月の1年間で5棟の建築と、10件の売買仲介を請け負った。
管理を受託していないオーナーに対してもセミナーをきっかけに管理を獲得し、23年度は新規で530戸の管理を獲得したが、そのうち約1割が同社の相続対策を起因としたものだった。
もう一つの相続発生後のフォローについては、オーナーの死去後、遺族は所有物件への対処に不慣れな場合が多い。そこで、相続に強い税理士や司法書士に依頼できているかを尋ね、場合によっては紹介も行う。相続での困り事や物件をどうしたいかもヒアリングする。
困り事の対処を積極的に引き受けることで信頼関係を築き、物件売却の際は同社で仲介する。継続して賃貸経営を希望する場合は、管理契約の結び直しを行い管理離れを防ぐ。
プロパティマネジメント事業部の馬場洋輔部長は「当社の強みは建築部門も持つ総合不動産会社であること。相続で悩む顧客に複数の選択肢を提示できる」と話す。
(2024年11月18日2面に掲載)




