所有者情報も瞬時に特定
宇宙航空研究開発機構(JAXA)発のスタートアップ企業Penetrator(ペネトレータ:東京都文京区)は、人工衛星データを活用して不動産の仕入れを効率化するSaaS(サース)サービス「WHERE(ウェアー)」を提供する。人工衛星が撮影した画像をAI(人工知能)が分析して、空き地や駐車場を発見し、利用者の仕入れ条件に合う土地をピックアップできるサービスだ。
地域や面積など、取得したい土地の条件を画面上で入力すると、候補地を抽出して、法務局の登記データ上の所有者情報も表示する。DMの送付など、所有者へのアプローチの支援もできる。これらにより、地域を限定することなく、広い範囲での土地仕入れを可能にする。
同社の阿久津岳生CEOは、創業前、九州で工務店や不動産仲介業を営み、不動産仕入れを積極的に行っていた。
「不動産の仕入れは人脈に依存しており、デジタル化が遅れていることに課題を感じていた。宇宙という視点に着目し、JAXA総合研究大学院大学での学びを経て、2022年に創業し本サービスの開発に至った」(阿久津CEO)
23年にベータ版、24年9月に正式版を発売した。大手デベロッパーを中心に、年間売り上げ100億円以下の企業にも導入が進んでいる。導入は中小不動産会社も対象としている。
今後は、グローバル展開も視野に入れており、25年にはアメリカ版の提供を予定している。
Penetrator
東京都文京区
阿久津岳生CEO(46)
(2024年12月23日13面に掲載)