ネット不要の電子錠導入
開錠の依頼多数 対応速度向上狙う
約5万5000戸の学生マンションを管理する学生情報センター(京都市)が、管理物件への電子錠の導入を開始した。入居者が鍵を紛失した際の対応スピードの向上と駆け付けの負担軽減、入居時における鍵交換作業の削減が目的だ。
同社が入居者から受ける問い合わせのうち約半分は、鍵の紛失や置き忘れなどにより部屋に入れないというものだという。
「24時間365日社員や駆け付けサービスのスタッフが鍵を開けに行く体制をつくっているが、入居者からの問い合わせを受けてから駆け付けまでの間は待たせることになる。また鍵を開けに行くスタッフの負担も問題だった」(BM事業本部ビルマネジメント支援室・深澤好文室長)
この問題を解決するため、ICカードと暗証番号で解錠を行うことができる電子錠の導入を始めた。採用したのは、セキュリティー機器の製造・販売を行うKeiden(ケイデン:東京都文京区)の電池式電子錠「PasCa(パスカ)」だ。入居者は普段ICカードで施解錠を行い、ICカードを紛失したなどの非常時には学生情報センターが一定期間だけ使用できるワンタイムパスワードを発行。これにより入居者はすぐに居室に入ることができる。スタッフによる鍵を開けるための現地への駆け付けと、マスターキーの持ち出しの必要がなくなる。