利用時の注意点など学ぶ
不動産会社向けクラウド型基幹システムを提供するいえらぶGROUP(グループ:東京都新宿区)は3月11日、生成AI(人工知能)に関するセミナーを開いた。参加者は、不動産会社の経営者層を中心に45人。
講師を務めたのは不動産売買領域の集客DX(デジタルトランスフォーメーション)を支援する流導(大阪市)の木村圭志社長と、同社の生成AI・SEO事業部統括の篠原義英氏の2人。「生成AI活用の第一歩! 知らないと損する最新ツールとノウハウ」と題して、Chat(チャット)GPTなどの生成AIの概要から初歩的な活用方法までを解説した。
篠原氏は、「生成AIは感情や背景を理解することが不得手なため、プロンプト(AIに指示するための文言)が曖昧だと期待した回答を得るのが難しい」と指摘。また利用する際のポイントとして「AIは具現化することが得意。目的を定め、作業を効率化するために使用するのが適している」と解説した。
木村社長からは、アメリカで起こった弁護士資格剥奪の事例について「AIが作成した判例を実際の裁判で引用したところ、その判例が架空なものだったため、弁護士資格を剥奪されてしまった事例がある。専門家でも真偽の見分けがつかない」と活用時のリスクについても触れた。
いえらぶGROUPからは、不動産会社での生成AIの活用状況の共有や、同社が運営する不動産業務支援システム「いえらぶCLOUD(クラウド)」が実装しているブログ作成機能の実演を行った。グループ会社であるピーシーコネクト(大阪市)の武本光明社長からは、AIを活用した間取り図作成サービスが紹介された。
セミナー参加者の1割は、生成AIを日常業務で活用しており、8割がセミナーの内容に「満足」と回答した。参加者の声として「AIの活用に乗り遅れる危機感を抱いている」や「生成AIの使い方を理解することができた」などの声が上がった。
(2025年4月14日16面に掲載)