マエダハウジング、M&A推進 12社で売上45億円【注目企業に迫る】

マエダハウジング

管理・仲介業|2025年11月14日

マエダハウジング 広島市 洲浜憲之取締役

 マエダハウジング(広島市)はリフォーム事業で創業し、M&A(合併・買収)により、経営を多角化。3月には賃貸管理・仲介事業を行う島根不動産(同)をグループ化し、ストック収入を伸ばす。

地場中堅管理会社を取得

シナジー効果重視

 マエダハウジングは、経営の多角化を推し進める。M&Aを積極的に実施することで事業の幅を広げてきた。

 同社は売買仲介を行うマエダハウジング不動産(同)や、非住宅のリフォームを行うマエダハウジングプラス(広島県府中町)などグループ全体で12社を展開する。グループ全体での売上高は2024年12月期で45億3000万円。そのうち、21億9000万円をマエダハウジングが占める。

 同社は1993年に創業。広島市とその周辺の市町村を商圏に、2008年から業務をスタートしたマエダハウジング不動産、16年に設立されたマエダハウジングプラスの3社を中心に運営してきた。

マエダハウジングの本社外観

マエダハウジングの本社外観

 マエダハウジング不動産が売買仲介や、買い取り再販を実施。購入された物件のリフォームをマエダハウジングで受注するほか、マエダハウジング不動産が買い取った物件の再生を手がけてきた。これに加え、マエダハウジングプラスが工場やオフィス、店舗など非住宅のリフォームを担当。それぞれが連携して、売り上げを伸ばしてきた。現在もグループ全体の売り上げの65%がこの3社によるものだ。

売上高推移

 同社がM&Aに力を入れ始めたのは、18年に行った非住宅リフォーム事業を行う広島ハウジングサービス(現マエダハウジングプラス)と、20年に行った出版・メディア事業者のザメディアジョン(広島市)の買収からだ。これを端緒として、23年には人材派遣会社のエイブルスタッフ(同)、24年には1級建築士事務所のラーバン(同)をグループ傘下に収めた。25年だけでも2社をM&A。破竹の勢いでグループ会社を増やし、売上高も15年から2.6倍にまで伸ばした。

 マエダハウジング不動産と、島根不動産で取締役を務める洲浜憲之氏は「本業であるリフォーム事業といかにシナジーを発揮できるかを基準に、M&Aで事業領域を拡大している。例えば、メディア事業は販促に、人材派遣・採用事業は人材育成や採用の点でグループ全体に貢献している」とコメントする。

多角化で市況対応

 M&Aの狙いは時流に合った商品展開と適応力強化、シナジー効果の最大化による地域密着コングロマリット(複合経営)経営の推進だ。

 マエダハウジングは新型コロナウイルス下で、リフォームの売り上げが大きく下落。マエダハウジング不動産が担う売買仲介事業があったため、下落した売り上げ分を補うことができた。この経験を基に変化していく市況に対応するには業態を増やすことがリスクヘッジとなると考え、M&Aに力を入れ始めた。

 商品展開については性能向上リフォームを進める。特に国の補助が手厚い断熱工事と耐震リフォームの需要が高いとみる。「そのため、1級建築士事務所のラーバンや性能向上リフォームを得意とする夢工房などをグループに取り込んだ」(洲浜取締役)

 これに加え、グループ会社の事業のほとんどがフロー収入であることを課題視し、23年から不動産事業のストックビジネスの強化に注力。テナントビルや賃貸住宅を保有するに至ったが、売り上げとして大きいものではなかった。

 そこに島根不動産のM&Aの話が飛び込んできたことから、賃貸住宅事業への本格参入を決意。今後はさらなる管理戸数の拡大を目指しつつ、自社保有物件を増やしていく予定だ。

修繕提案を推進

 グループに新たに加わった島根不動産に対し、マエダハウジングはグループ間シナジーの創出を通して、同社事業のてこ入れを図っていく。

 島根不動産は1966年に創業した地場中堅事業者だ。広島市を商圏としており、2025年7月期の売上高は3億2000万円だった。

 今回のM&Aは賃貸管理におけるオーナーへの建築提案の不足という課題を抱えた島根不動産と、ストックビジネスを強化していきたいマエダハウジンググループの意図が合致したことから合意に至った。

 「島根不動産は入居率が約90%を維持できている。地域に密着し、オーナーとの良好な関係性も築けており、堅実な経営を行っている。人材もそろっているので売り上げの維持は難しくないが、ここ10年、管理戸数が伸び悩んでいる点が課題」と洲浜取締役は話す。

 管理物件も築30年を超えたものが多く、老朽化による給排水設備の故障が増加している。今後の入居率維持のためにも物件再生は必須だとみる。

 オーナーの高齢化や建築費の高騰から、多額の資金が必要となる建て替えは難しいと判断。大規模修繕の提案を進めていく。実際の施工に関しては自社グループではなく、低コストで大規模修繕ができる事業者とタッグを組んでいく予定で、事業者の選定を進める。

 グループ間シナジーも生かしていく。賃貸住宅事業から売買仲介や買い取り再販につなげるほか、入退去時の原状回復工事やバリューアップ工事もグループ間で行うことができる。

 管理物件の再生を通じて、オーナーの収益を改善。さらに、社員の人材育成やDX(デジタルトランスフォーメーション)の推進により、賃貸仲介・管理受託営業に注力。島根不動産の業績を向上させていく計画だ。

 「マエダハウジンググループは2030年ビジョンとして売上高100億円、グループ従業員300人を目指している」と洲浜取締役は話す。そのためにも、グループの部門ごとに業績を向上させていく必要がある。年内には、26年度の年度方針と中期経営計画を発表予定だ。

会社参画の動き

(野中)
(2025年11月10日20面に掲載)

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