入居時の年齢制限を撤廃【賃貸トレンドニュース ゲストレポート】

住まいLOVE(ラブ)グループ

管理・仲介業|2025年11月20日

全国賃貸住宅新聞が運営するオンラインメディア「賃貸トレンド」で隔月に配信する生番組「賃貸トレンドニュース」からゲストトークの一部をお届けします。

高齢者の受け入れ

 高齢者の住まい確保は業界の重要課題になっている。住まいLOVE(ラブ)グループ(愛知県豊橋市)では、高齢入居者の積極的な受け入れを開始した。管理戸数約1万戸のうち、静岡県内では浜松市を中心に6000戸を管理。家賃債務保証会社と入居条件を統一し、入居者の年齢制限を撤廃した。受け入れ強化の背景と具体的な取り組みについて、浜松支店長の三浦孝之取締役部長に聞いた。

保証会社との連携でリスク減

―浜松市における高齢化の状況は。

 浜松市の65歳以上の人口割合は、2015年の25.3%から、24年には28.8%へ上昇した。山間部が多いため高齢者率が高いエリアだ。賃貸需要でも高齢者の割合は確実に増えており、当社における高齢者の契約率は10年前までは10%以下だったが、直近2カ月では20%を占めている。

配信では浜松市の65歳以上人口割合推移グラフを用いて説明

配信では浜松市の65歳以上人口割合推移グラフを用いて説明

―なぜ高齢者の賃貸契約が増加しているのか。

 背景には、当社の高齢者入居受け入れが認知されつつあることと、老朽化した家の売却、物価高を受けた住み替えニーズの増加などがある。エリア内で100戸規模の集合住宅の建て替えがあり、転居を余儀なくされた人が多数発生した影響もあった。

 浜松市は全国平均よりも持ち家率が高いが、建物は税金がかかるうえ、老朽化すればメンテナンス費用も必要になる。また子ども世代が土地や建物を引き継ぐとは限らない。そのため、夫婦や単身で暮らすには広すぎる自宅を売却する、または子どもとの同居がうまくいかず、賃貸住宅に住み始めるケースも見られる。

―受け入れ体制強化のきっかけは。

 24年1月に豊橋技術科学大学(同)の国際都市計画研究室が実施した、災害発生時の被災者に対する住宅提供の意向調査への協力がきっかけだ。当社と付き合いのあるオーナーを対象にアンケートを行ったところ、単身高齢者、外国人、低所得世帯といった住宅確保要配慮者(以下、要配慮者)の受け入れに「否定的」と答えた割合は65%に上った。孤独死や家賃滞納、近隣トラブルなどのリスクを懸念しているのが理由だ。一方で、76%が「社会的に重要な制度である」と回答していた。つまり、リスクを軽減する仕組みがあれば、前向きに受け入れると考えられるので、受け入れ体制を進めることにした。

 見守りサービス事業者の選定などを進め、24年4月には受け入れを開始した。もともと高齢者受け入れに向けた準備を進めていたので、スピーディーに実現した。現在では8割以上の管理物件で高齢者の入居が可能だ。

―高齢化受け入れ体制をどう整えたのか。

 最初に取り組んだのが保証会社の統一だ。これまでは信販系、協会系、独立系の3社を使い分けていたが、保証内容や書式が統一されておらず、事務作業やオーナー、契約者への説明が煩雑になっていた。1社に統一することで、保証内容が統一され業務効率も大幅に向上した。ただし保証会社の審査が通っても、管理会社として独自の審査も必ず実施する。入居希望者がどんな人かを営業店と共に把握したうえで、入居を判断する。保証会社の年齢制限のないプランを取り入れたので、年齢制限も撤廃できた。先日も89歳の方の新規入居に対応した。

 もう一つは、電力系の見守りサービスとの契約を入居条件にしたことだ。受け入れ開始時は65歳以上が対象だったが、孤独死の平均年齢が61歳というある調査データを踏まえ、25年7月から60歳以上を対象にした。

―高齢者の受け入れにおけるトラブルは。

 たまたまかもしれないが、警察と保証会社のおかげで苦労をしたことがない。孤独死の場合は警察が相続人を探してくれるし、大半が相続放棄をするのでトラブルには発展していない。独居による寂しさから、毎日のように連絡をしてくる人はいたが。

―10月に改正住宅セーフティネット法が施行されたが、注目しているのはどんな点か。

 国土交通大臣が保証会社を認定する制度に注目している。これまで受け入れの幅が狭かった信販系の保証会社からも、新しいプランが出てくると期待する。要配慮者の民間賃貸住宅への入居を支援する居住支援法人との連携も深めたい。残置物の処分が早い段階にできるようになり、円滑な運営につながる。

視聴者アンケートでは高齢者の受け入れに前向きな人が多かった

視聴者アンケートでは高齢者の受け入れに前向きな人が多かった

―今後の取り組み方針は。

 今後はすべての契約へ見守りサービスを導入することも検討中だ。孤独死は高齢者だけではなく、若年層にも増えている。発見が遅れると身元の確認や残置物処理などに時間がかかり、経営に負担がかかるので未然に防ぎたい。また浜松市は要配慮者が多い。保証会社や居住支援法人と連携することで、リスクを下げることができるだろう。居住支援法人と連携して、要配慮者の見守り機能を備えた「居住サポート住宅」創設にも取り組みたい。

会社概要

三浦 孝之 氏

住まいLOVEグループ
愛知県豊橋市
取締役部長兼浜松支店長
三浦 孝之 氏

(2025年11月17日15面に掲載)

おすすめ動画▶『高齢者受け入れの契約・保証体制とは~本気の体制をつくるために整えたこと~【動画】』

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