全国賃貸住宅新聞社は2025年11月26・27日、大阪市の「インテックス大阪」で「賃貸住宅フェア2025大阪」を開催。2日間合計で4385人が来場した。出店用地を探す事業者とテナント・土地の有効活用を検討する不動産オーナーをマッチングする「テナント・土地活用展」を併催。会場には不動産関連のサービス・商品を取り扱う105社が出展した。不動産事業について学べるセミナーは約60テーマあった。中でも家賃アップにつながるテーマに多くの聴講者が押し寄せた。
オーナー向けのセミナーに多くの聴講者が集まった
家賃アップ施策に高い関心集まる
来場者の声
出展ブース巡りM&Aの情報収集
兵庫県下で賃貸住宅サービスのフランチャイズチェーン(FC)店を13店舗展開する兵住(兵庫県伊丹市)の福島秀星社長。毎年来場し、情報収集に努めている。管理物件の外壁塗装を依頼している会社など、自社と取引のある事業者の出展もあり、一通りブースを巡ったという福島社長。印象に残った出会いは、不動産M&A(合併・買収)の事業者だという。
「今、実際に自社でM&Aに取り組んでいるので、名刺交換して、どのようなことができるか、最新の情報を得られたのがよかった」(福島社長)。また外国人の入居受け入れにも課題を感じており、多言語対応の外国人入居サポートサービスにも興味を持ったという。
兵住
兵庫県伊丹市
福島秀星社長
老朽化への対策 家主と意見交換
賃貸住宅フェアには毎年参加しているという高島正紀オーナー。神戸市内に42戸を所有し、全国で活動する家主との交流にも積極的だ。「賃貸住宅フェアは、本を出版されているような有名な大家の方と直接話ができるのが良い」と高島オーナーは語る。
所有物件の経年劣化や高齢者の入居問題などは、どの大家も抱える日本全体の問題。そういった問題について意見交換したり、築古物件への入居付けをどう工夫しているかなど、直接顔を合わせるからこそできる交流を大切にしているという。「最近はペット飼育可能物件が少なくなったと感じる。トレンドを知るのも重要」(高島オーナー)
兵庫県神戸市
高島正紀オーナー

関西エリアを中心に全国からの来場があった
事業拡大のため協業先をリサーチ
関西一円で通信・情報機器の導入・構築、設備工事事業を営む日本通信電設(大阪府豊中市)の伊藤充社長は「自社と親和性の高い製品やサービスをリサーチするために来場した」と語る。同社はネットワーク構築や防犯カメラ設置などの工事を請け負うが、事業の幅を広げるためのクロスセル商材を検討中だという。「ブースで話を聞く側だったのが、初めて話す出展者から逆に工事の見積り相談を受けた」と伊藤社長は語る。「自社のリソースを見極めつつフットワークよく動いていきたい」(伊藤社長)
日本通信電設
大阪府豊中市
伊藤充社長
鉄道会社に共感 まちづくりを参考
大阪府泉佐野市生活産業部まちの活性課の貝塚美奈参事は、まちづくりをテーマにしたセミナーに関心を持って来場した。「近鉄の沿線価値向上策 地域と始めるエリア再生」を聴講。鉄道会社が考える交流・定住人口を増やす工夫が、行政が目指すまちづくりと一致するところがあったという。「地域の魅力発見、産業振興や雇用拡大などの考え方、特にまちの方向性の決定、エリア投資に関する内容が参考になった」と話す。
泉佐野市生活産業部
大阪府泉佐野市
貝塚美奈参事
出展ブースで展示している商品に関心を示す来場者
空き家の管理 清掃方法に関心
遺品整理や不用品処理、リサイクル事業を営むだいこく屋(大阪府岸和田市)の松代尚子社長は、社員とともに初来場。今後、地域の空き家問題に関わっていく上で、賃貸市場における空き家ビジネスの状況をリサーチした。
AI(人工知能)で空き家の管理をするサービスや、独自の清掃方法などに興味を持った。「部屋の臭いは建物の内部まで入り込んで取れないものだが、特殊な清掃方法もあると知った」と松代社長は話す。会場でフェアのにぎわいを楽しめたという。「外貨両替機を使った土地活用の提案は面白かった。ビジネスの種は意外なところにありそうだ」(松代社長)
だいこく屋
大阪府岸和田市
松代尚子社長
賃貸住宅ポータルサイトの大手3社が登壇した座談会
和歌山市の事例でまちづくりを学ぶ
大阪府商工労働部中小企業支援室の奥野友紀子氏は、まちづくりのセミナーに興味を持って来場した。「和歌山市と南海、まちなか再開発に取り組んだ10年の軌跡」を聴講した。大阪府には800を超える商店街があるが、にぎわいを復活させるための取り組みを模索するところも多い。「まちのにぎわいは、誰がキーマンとなり、どう関わったかが大きい」と語る。セミナーでは、和歌山市の中心市街地のにぎわいづくりとして、北ぶらくり丁商店街の再生も紹介された。「大阪府の商店街活性化において参考になる」(奥野氏)
大阪府商工労働部
大阪市
奥野友紀子氏



会場内には105社の出展ブースが並んだ
顔認証システム 展示製品を確認
大阪市で築30年の賃貸マンションを所有し、自主管理をする久保康夫オーナーは、住宅設備やIoTシステムの実物を見るために来場した。オートロックシステムを導入したところ、導入前に比べて若い人が入居したという経験がある。「設備によって入居者層を広げることができると分かった。顔認証やタッチレスシステムの現物を見たかった」と、久保オーナーは話す。現物を確認することで、納得して設備を導入できるという。「今の賃貸住宅に求められているものを把握しておきたい」(久保オーナー)
大阪市
久保康夫オーナー
(2026年1月26日6・7面に掲載)




