ファイバーゲート、通信と再エネ 両輪で成長へ

ファイバーゲート

商品|2026年03月19日

ファイバーゲート 猪又 將哲 社長

 マンション向けインターネットサービスで成長してきたファイバーゲートが、次の柱としてエネルギー事業を前面に押し出す。1月よりコーポレートスローガンを「Lead The'Telecomenergy'(テレコメナジー)」に刷新し、通信とエネルギーを一体で提供する'テレコメナジー'構想を掲げた。既存の通信ビジネスで築いた販路・施工・運用の強みを、賃貸住宅の再生可能エネルギー導入へ横展開していく。

電力供給で賃貸住宅に価値

提案内容を深化

 ファイバーゲートは2005年に、Wi―Fiルーターを用いた無線LAN環境の構築サービスを開始。「すべての施設にWi―Fiを」のスローガンの下、集合住宅へのWi―Fiの普及をけん引してきた。

 25年6月期の売上高は130億円、そのうち主軸の住宅向け通信事業となる「ホームユース事業」が108億円と、いずれも過去最高を更新。通信サービスの提供戸数は68万戸と、同期1年間で4万9000戸を上積みし、ストック型収益を中心に安定した基盤を築いている。

 一方で提供戸数の増加ペースは減速傾向にあり、通信事業の成長率は年々緩やかになっている。賃貸住宅の新築物件ではネット導入が事実上の前提条件となり、差別化効果が限定的になってきたためだ。既存物件では、通信原価や工事費、人件費が上昇する中、価格転嫁は難しく、競争は激化の一途をたどる。

 この状況について、猪又將哲社長は「既存マンション向け通信は、提案し尽くした感がある。Wi―Fiは完全にコモディティー化した」と語る。通信単体では、かつてのような高い成長率を維持しにくい局面に入ったという認識が、今回のスローガン変更の前提にある。

 同社は、約4年半前から太陽光発電や蓄電池といったエネルギー領域への投資を続けてきた。その中で、エネルギー事業を象徴するモデルケースとなったのが、22年3月に埼玉県川口市に竣工した賃貸マンションにおける再エネの活用だ。屋上に太陽光パネル、建物内に蓄電池を設置し、発電した電力を主に全12戸の各住戸で消費。余剰電力は蓄電し、夜間の需要にも対応するハイブリッド運用を実施している。再エネを活用した新たな付加価値提供モデルの実証棟として運用中だ。

屋上に設置された太陽光パネル

川口市のマンション屋上に設置された太陽光パネル

建物外観等の写真

建物外観(左)。1階の一部に蓄電池を設置した(右)

 入居者向けには「FGでんき」として電力を供給し、専用アプリで日々の使用量を可視化できる仕組みを整備。電気料金設定は基本料金制とし、近隣相場より家賃を約1万円高く設定しているものの、設備価値の訴求により満室を維持している。

 こうしたIoT・通信インフラとの組み合わせにより、従来のネット設備提案から脱却し、再エネとセットでの価値提供を強化する。これが、同社が掲げるエネルギー事業の一つのモデルであり、今後ほかの集合住宅への展開を目指す。

専用アプリ

専用アプリで使用電力を可視化

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