人材採用にも効果
富山市と高岡市を中心に2400戸を管理する光陽興産は、入居者向けの付帯サービスを強化して空室対策の成果を上げている。入居者の満足度向上に注力した結果、管理物件の入居率が86.5%から95%と大幅に上昇した。
同社は、不動産事業を柱に温浴・サウナ事業、ゴルフ事業、飲食事業など幅広く展開している。そのうち不動産事業が売り上げの70%、次いでサービス事業が30%を占める。
2019年4月には、富山大学の前に入居者専用の「セカンドキッチン」をオープンした。近隣に住む大学生や単身者向けに、健康的で栄養のある食事を提供する。価格は朝食200円、夜食600円。店内には専用のカードキーで入店できる。入居者と一緒に入店すれば、友人や家族も利用可能だ。主な利用者はセカンドキッチンの周辺に住む学生が7割、単身者が3割。
セカンドキッチンの外観
セカンドキッチンは食堂以外にも、サッカーや野球などのスポーツ観戦、就活カフェができる会場としても活用。家主に負担がない空室対策の一環として開設し、物件の稼働率に寄与している。
中西竜一社長は「今後は食堂のオフタイムにも活用してもらいたい。就活や、企業や学生の集う場などとして、積極的に交流の場としていきたい」とコメントした。
セカンドキッチンを始めたことで、想定外の効果もあった。同社の取り組みに共感して求人に応募があり、これまで6人の採用につながった。
23年からは、高岡市で自社運営する施設のスーパー銭湯「陽だまりの湯」で、入居者向けのサブスクリプションサービスを開始。月額2000円(税別)で入浴し放題となる。同サービスは23年10月より開始。セカンドキッチンが入居率の上昇につながった実績があって始めたという。中西社長は「高岡市は物件が点在するエリア。稼働率を上げるために他社が模倣できないサービスを始めた」と話す。
今後は、同社が運営するゴルフ事業やサウナ事業も入居者サービスの一環として提供する予定。健康をテーマにしたフィットネス事業を計画しており、更なるサービスの拡充を測る。不動産を軸に顧客のライフタイムバリュー(顧客生涯価値)を高める多角化戦略を加速させる考えだ。
光陽興産
中西 竜一 社長
(2026年5月4日9面に掲載)





