4月の入社式シーズン―。新卒社員を迎えた全国の地場不動産会社9社に、採用戦略を聞く。少子化が進む新卒市場に対し、人事制度の見直しによる企業の魅力向上策が見えてきた。
固定残業、5時間削減し15時間も
常口アトム、給与体系見直し「能力を重視」
5万7000戸超を管理する常口アトム(北海道札幌市)は、2026年度の新卒採用において、計画した30人に対し27人を採用した。採用の内訳は高校卒業者6人、短大卒1人、4年制大学卒20人。今年度から新たに初任給の学歴差を撤廃。年間休日数も120日に拡大した。採用と定着の両面で強化を図る。
人事総務部長の赤井香織氏は「実際の業務において、学歴による成績に大きな差が見られていなかったことから判断した」と話す。これにより、高校卒業者も大学卒業者と同じ初任給でスタートする。転勤ありの総合職の初任給は、固定残業代を含め20万円台に設定。「学歴に関係なくフラットに見るということは、学歴差で生まれていた甘えも解消されることになる」(赤井部長)とし、能力を重視した人材採用・育成に重きを置く。
同社は、一貫して「責任感のある人」を新卒で求める人物像とし、3回の面接と適性診断を通じて採用を行う。赤井部長は「特に今の学生は、勤務地や社内での人間関係を重視する傾向が強いため、インターンシップや内定者懇親会を通じて先輩社員との交流機会を多数設け、職場の雰囲気を伝達することに注力してきた」と話す。内定承諾前の学生も懇親会に招待し、年齢の近い入社2〜3年目の若手社員と交流させることで、入社への意欲維持を図る取り組みも実施した。





