成功報酬型モデルで伴走支援
コロナ禍で再評価 「管理事業」の価値
後継者不足や人口減少、DX対応などを背景に、不動産会社がM&Aを経営戦略の選択肢として活用するケースが増えている。
M&A市場が拡大する中、不動産や建設、製造、医療などの分野に特化した支援を手がけるのがM&Aベストパートナーズ(東京都千代田区)だ。同社で不動産・建設業界のM&A支援を担当する黒田紘章部長は「現在の不動産業界のM&Aで最も多いのは、賃貸管理会社の案件だ」と話す。
その理由はストック収益にある。賃貸管理事業は毎月安定した管理収入が見込めるため、買収側にとって将来の収益を予測しやすい事業だ。特に新型コロナウイルス禍により賃貸仲介が停滞した際、管理事業の安定性が改めて評価され、買収需要が高まったという。
「不動産会社のM&Aでは、財務諸表だけでは測れない価値が存在する」と黒田部長は話す。その代表例が、地域密着型不動産会社が築いてきたオーナーとの信頼関係だ。
実際にM&Aベストパートナーズが支援した東京都内の賃貸管理会社の案件では、70代後半の経営者が後継者不在を理由に事業承継を検討していた。同社は長年にわたり地域密着で事業を展開し、多数の管理物件を通じて地主オーナーとの関係性を築いていたが、経営者の高齢化によって将来的な事業継続に不安を抱えていたという。
同社では複数の買い手候補との面談を実施。最終的には企業文化や将来ビジョンに共感してくれた会社との成約に至った。「不動産会社の場合、『この地域ならこの会社』というブランドがある。オーナーとの信頼関係まで含めて承継できるかどうかが非常に重要になる」と黒田部長は話す。





