募集物件の更新を半自動化
地方の中小不動産会社が、AIによる業務の内製化へ踏み出した。
鳥取県米子市を商圏に賃貸管理を手がけるウチダレックは、AIエージェントを活用した業務の内製化および効率化を進める。まずは、年間数百万円を投じていたアウトソーシング業務をAIに置き換え、コスト削減を図る。
手始めにAIを導入したのは、募集物件の更新業務だ。AIがパソコンのブラウザ画面を直接操作できる仕組みを活用。賃貸仲介向けの募集物件情報を掲載している複数のハウスメーカーのサイトに、AIがアクセスしデータを抽出する。その後、ウチダレックの社内システムへ転記する一連の流れをAIが担う。
これにより、業務委託で行っていた、新規空室の確認や成約による情報削除、条件変更などを反映させる作業を、システム連携を考慮せずに内製化した。
AI活用のポイントについて経営企画本部の木村真治部長は「適切な指示を出すために、業務フローを言語化できることは重要。活用する業務の対象は、個人単位ではなく人や部署をまたぐ業務で展開することも意識している」と話す。また同社が危険視するのは、AIへの完全な丸投げだ。セキュリティーや倫理面で不安が残る。木村部長は「人間が最初に環境を整え、最後に判断を行う『半自動』の体制こそが、最も効率的かつ生産性が高い」と説明する。今回の情報更新に関わる業務においても、ブラウザ上でAIが自立的に動くことが可能であるものの、情報の取捨選択の場面で人が指示を出すフローをあえて踏ませている。
引き続き、AIを活用する業務の幅を拡大し手順構築を進める方針だ。蓄積したノウハウは、社内だけではなくオーナーや他社へも展開していくことを目指す。
(2026年7月13日1面に掲載)





