品質平準化と業務効率化を実現
不動産テックを手がけるイタンジ(東京都港区)はこのほど、賃貸管理の業務支援サービス「ITANDI賃貸管理」の入居者向けシステムに、生成AIを活用した問い合わせ返信文の自動作成機能を搭載した。人手不足や担当者ごとの対応品質のばらつきが問題となっている賃貸管理業界において、業務効率化とサービス品質向上の両立を目指す。
同機能は、入居者専用マイページを通じて寄せられる問い合わせに対し、AIが返信文の下書きを自動生成するもの。騒音や設備不具合、契約内容に関する質問など、日常的に発生する問い合わせに対して、過去の対応事例や管理業務における一般的な運用ルールを基に適切な回答案を作成する。さらに、物件情報や契約情報と連携することで、入居者の状況に応じた内容を反映できる点も特徴だ。
近年はAIによる自動応答サービスも増えているが、同社はあえて「下書き作成」に機能を限定した。背景には、賃貸管理業務が個別性の高い対応を求められるという事情がある。AIによる完全自動応答ではなく、担当者が最終確認を行う仕組みとすることで、回答品質への不安や誤回答リスクを抑えながら、現場が無理なくAIを活用できる環境を整えた。
従来、問い合わせ対応は担当者が一から文章を作成していたため、経験やスキルによって回答内容や表現に差が生じることも少なくなかった。新機能ではAIが一定水準の文章を提示することで、経験の浅い担当者でも質の高い対応ができるようになる。業務負担軽減だけでなく、入居者に対して安定したサービスを提供できる点も大きなメリットだ。
管理会社ごとの運用方針やFAQの内容に合わせたカスタマイズにも対応していく予定だという。各社が保有する回答テンプレートや運用ルールをAIに反映させることで、自社の対応方針に沿った返信文を生成できるようになる。さらに、問い合わせ履歴や対応ノウハウを蓄積することで、ベテラン担当者が持つ知見を組織全体で共有しやすくなる効果も期待される。
システム開発担当の中村友拓氏は「今後は管理会社とオーナー間のコミュニケーション領域への展開も検討していく」と話す。
(2026年7月20日4面に掲載)





