家賃1万円向上、入居率90%超
山梨県内で8700戸を管理するエスティケイ(山梨県甲府市)は、築古物件のリノベーションとオーナーの資格取得支援の2軸で、管理物件の収益向上に取り組む。
商圏では家賃3万円台の物件の需要が高く、7万~8万円の新築物件にも一定のニーズがある。一方で、築古物件は家賃4万~6万円でも割高だとみられ、リーシングが難しく、空室が多い傾向にあるという。
総合窓口課の牛山庸市課長は「入居希望者も築古物件の家賃を高く感じており、生成AIに相談して値下げ交渉の材料を探し、家賃の引き下げを求めてくる。リノベをすることで、そうした交渉をせずとも家賃に納得してもらえるようになる」と話す。
同社は配管の確認や建物診断を伴うリノベを提案している。入居後のクレーム発生率を下げるとともに、物件の競争力を高める狙いがある。2025年度は30万円以上の工事を541件実施した。
クロスの貼り替えや一部設備の変更のほか、間取りの変更なども行う。工事費は1戸あたり最大260万円程度。改修後は家賃を1万円引き上げるなどして、投資資金を約2年半で回収する計画だ。入居率は90%を超える。
オーナーの賃貸経営への理解を深める取り組みにも力を入れる。4月と5月には勉強会を開催し、民間資格である不動産経営診断士の取得を促した。相続で物件を取得したオーナーに対し、経営の基礎知識を身に付けてもらう目的もある。
4月には管理物件のオーナー475人に案内を送付し、希望した12人が6月開催の同試験を受験。資格取得者の賞状を店舗に掲示するほか、SNSや自社サイトで発信している。
こうした情報発信を通じて、ほかのオーナーの資格取得を促している。また、オーナーが賃貸経営の知識を身に付けることで、管理会社からのリノベ提案も円滑に進むようになったという。
「オーナーに知識を付けてもらうことで提案がしやすくなる。物件を根本から再生し、入居率と収益性の両方を高めていく」と牛山課長はコメントした。
(2026年10月26日3面に掲載)





