人口が減少する静岡県浜松市に、会社規模の拡大から、商圏を絞り込んだ地域密着型戦略へと経営方針を転換した企業がある。売買仲介と賃貸仲介・管理を主力とするスカイポート(静岡県浜松市)は、創業期から長い目線で成長を続けてきた。創業30年の節目をきっかけに人材の定着に目を向け、特定のエリアで筋肉質な経営基盤を築くことに注力していく。
商圏絞り深耕で成長狙う
管理1501戸、認知度獲得で積み増し
主催イベントに地域から1500人
―売買仲介で創業されています。事業の柱を教えてください。
売り上げ構成比で見ると、売買仲介と賃貸仲介・管理の2本柱です。売買仲介件数は年間平均150件前後で、実需向け住宅が中心です。このうち、買い取り再販を年間12〜15件行っています。9月末時点の管理戸数は1501戸。入居率は930.5%と、エリア平均を超えた水準です。
―賃貸管理事業はどのように始めたのですか。
売買仲介で一部取り扱っていた収益物件をきっかけに、販売後の管理を受託していきました。オーナーの属性は、もともと付き合いのある経営者が中心でした。管理戸数が30戸ほどになった2001年から本格的に管理事業を始めました。独立後、アルバイトなどを雇わず1人で会社経営をしていましたから、妻と、建築会社に勤めていた弟も加え3人体制とし、事業を拡大してきました。
―管理戸数はどのように推移してきましたか。
800戸までは、私の人脈を生かしながら受託してきました。その後現在の1501戸に到達するまでの要因は、地域における認知度の獲得だったと思います。11年ごろから、地域住民を招くイベント「感謝祭」を開催しています。以降、毎年約1500人の地域住民が来場するイベントに成長しました。
―感謝祭はどんなきっかけで始まったのでしょうか。
当時、10人の従業員規模には広すぎる拠点に本社を移したことがきっかけでした。お付き合いのあるオーナーから元ビデオ販売店の2階建て物件を購入。1階が100坪、2階が50坪ありました。本社移転を機に、地域住民に当社を知ってもらおうと、広い本社を会場に年1回の感謝祭を始めたのです。従業員総出で、焼き芋や豚汁などを無料で振る舞う〝お祭り〞です。26年で14回目となり、高丘地域を含む高台エリアの住民で当社の祭りを知らない人はいないと思えるほど浸透しました。感謝祭を通じて地域住民と交流を図れたことで、不動産に関する相談がある場合に当社を想起してもらえるようになったのだと感じています。
26年に第14回目を迎える感謝祭。高台エリアの地域住民が1500人ほど来場する
―イベントには、スポンサー企業も多数参加しています。
22年ごろからは、地元企業とのネットワークづくりにも取り組んでいます。高台エリアの法人向けには、従業員が当社で部屋探しをする場合に、賃貸仲介手数料を半額にする取り組みも行っています。当社と関わるきっかけをつくることで、感謝祭にスポンサーとして協力してもらったりと、イベントの規模拡大にも寄与しています。高台エリアの企業経営者は地元愛が強く、そうしたつながりを生かせる環境があります。





